2021 Fiscal Year Annual Research Report
Activities in Project-type Foreign Language Teaching at Elementary Schools: The Visualization and Evaluation of Performance
Project/Area Number |
21H00539
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
高島 英幸 東京外国語大学, その他部局等, 名誉教授 (40128434)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 美保子 茨城キリスト教大学, 文学部, 教授 (10331638)
東野 裕子 日本体育大学, 児童スポーツ教育学部, 教授 (20781686)
奥村 耕一 情報経営イノベーション専門職大学, 情報経営イノベーション学部, 講師 (60885599)
桐生 直幸 鎌倉女子大学短期大学部, 初等教育学科, 准教授 (50442132)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 小学校英語 / プロジェクト型外国語教育 / 課題解決型の外国語授業 / 同一児童の経年学習状況調査 / 練習から言語活動へ / 教室における英語使用の必然性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,第5・6学年「外国語科」の授業内容を,学習指導要領が謳う課題解決型にするために,① タブレット等のICTを活用した基礎的な練習と言語活動の開発, ② ICTを活用した評価システムの考案, ③ プロジェクト型カリキュラムの実証研究を行うものである。 初年度の2021年度は,基盤となる第二言語習得理論を中心とした文献研究を踏まえ,課題解決型単元,タスク型言語活動等の在り方について,これまでの「プロジェクト型外国語」の授業実践内容を中心に検討・共有する。 次に,授業実践で基盤となる,第5・6学年の全7社の検定教科書を分析する。一定の基準による分析後,特定した検定教科書から各学年1単元を選択し,当該単元の目標英語表現やテーマは変更せず,児童が興味・関心を持ち,小学校学習指導要領に求められている「質の高い学び」となり,「主体的,対話的で深い学び」が実現でき,児童が思考する言語活動を考案する。具体的には,教科書に計画された学習活動を活用しながらタブレットを活用した練習教材(SmatClass+)と『夏休み思い出 Book』などの成果物の作成と発表をゴールに設定したプロジェクト型の外国語の授業内容とする。 考案した単元については,研究アドバイザーの Dr. Harrington 教授(オーストラリア・クイーンズランド大学)との国際会議を対面で予定していたが,新型コロナ感染症の影響により次年度へと延期する。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
初年度である2021年度は,研究の理論的基盤を確定するために,プロジェクトやタスクに関わる文献研究を行った。加えて,これまで獲得した科学研究費による研究方法や成果を踏まえ,研究の全体像のイメージ化を図った。 次に,小学校における課題解決型の実践,主にプロジェクト型の外国語(英語)授業の在り方を確認した。ここでは,検定教科書を活用しながら,独自の練習と言語活動の開発を試みた。とりわけ,7社から出版されている小学校外国語科の第5・6学年の検定教科書14冊すべてを,「教科書の構成」「一単元の構成」「各単元の練習や言語活動の数と内容」「Can-Dotリストの有無」「単元名の特徴」「目次の構成」の観点から詳細に分析した。これを基礎資料として,研究協力校の使用教科書から研究授業の対象とする単元を各学年1つ選択し,教科書の学習活動を含んだ新たな単元を開発した。開発にあたっては,タブレットを使った練習や発展的な言語活動を組み込み,プロジェクトの特徴である成果物を作り発表へつなぐ構成とした。 単元の詳細な進め方については,研究協力校の教員と複数回会議を持ち,討議し確定した。児童の学習状況を質的・量的に測定するために,単元前後に児童の英語学習への意欲を調査するアンケートを実施することに加え,各授業後に児童の英語学習への理解や自信を調査する振り返りを実施して,その変化を捉えることができるようにした。同時に,単元終了後のリスニングとスピーキングストで,英語力を量的にも測定し,児童の学習状況を総合的に把握できるようにした。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究の2年目となる2022年度は,2023年度以降の本調査のための予備調査を行う。まず,2021年に開発した第5・6学年の単元を授業実施することによって英語力がどの程度向上するのかを測るために,リスニングテスト,スピーキングテスト問題を考案する。第5学年と6学年の2学年にわたる調査であることから,2021年度は,両学年の調査を一校で同時に行うことになる。 リスニングとスピーキングのテスト問題や得られるデータの分析方法に関しては,本研究のアドバイザーである Dr. Harrington 教授 (豪州,クイーンズランド大学)との会議で検討する予定である。 また,2021年度に開発した単元を,研究協力校において担当教員と綿密な打ち合わせの上実施し,単元前後のアンケート,各授業後の振り返り,単元終了後のリスニング,およびスピーキングのテストの実施により,データー収集,分析を行う予定である。得られた分析結果から,2023年度以降の本調査の授業内容の精査,調査項目,両テスト問題の加筆・修正を行い最終確定する。
|