2021 Fiscal Year Annual Research Report
Study on Racial and Ethnic Issues Related to the Second Italo-Ethiopian War
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21H00556
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo University of Foreign Studies |
Principal Investigator |
石川 博樹 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 准教授 (40552378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
新谷 崇 茨城大学, 教育学部, 助教 (30755517)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 人種 / 植民地 / ファシズム / イタリア / エチオピア / アフリカ |
Outline of Annual Research Achievements |
第2次イタリア・エチオピア戦争によって成立した「イタリア領東アフリカ」におけるイタリアの人種・民族集団政策に関する未解明問題の検討を行う本研究課題の2021年度における研究実績は以下のとおりである。 まず研究代表者の石川博樹は、19世紀後半からイタリアによるエチオピア占領期までの期間を対象として、G. Sergi、A. Polleraといったイタリア人類学者と、C. Conti Rossini、E. Cerulli、M. M. Morenoといったイタリア人言語学者がエチオピアを中心とする東アフリカ地域に関して行った研究活動について、特に彼らのエチオピア人種・民族論認識に着目して調査した。そしてその成果を「イタリアにおけるエチオピア人種・民族論の展開」と題して日本オリエント学会第63回大会において発表した。 研究分担者の新谷崇は、ファシズム体制下のイタリア領東アフリカにおける人種階層の構造を解明することを目的として、官報における国籍や市民の地位に関わる情報の分析を進めた。くわえて、アフリカ現地で教育や医療分野を中心に宣教活動にあたっていたカトリック教会関連の史料も分析することで、ファシズム体制の人種政策の把握を目指した。以上の分析作業を進めるとともに、研究の前提となるファシズム体制の支配の性質、様態を考察するための方法論上の練り直しを行い、その成果を『三菱財団人文科学研究助成報告書』所収の「イタリアの歴史研究における「グレーゾーン」概念:議論の整理と今後の展望」として公表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究分担者の新谷は2021年度中にイタリアにおいて本研究課題に関する史料調査を実施する予定であったが、新型コロナウイルスの感染再拡大の影響により、断念した。実施予定の史料調査に基づいて行う予定であった研究が実施できておらず、予定よりも研究がやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究分担者の新谷が2021年度中に実施予定であったイタリアにおける史料調査について、2022年度中に実施する。
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