2023 Fiscal Year Annual Research Report
20世紀後半の社会運動の形成-展開過程の解明に向けた領域横断的な資料学的研究
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21H00569
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagano University |
Principal Investigator |
相川 陽一 長野大学, 環境ツーリズム学部, 教授 (90712133)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
李 英美 上智大学, 基盤教育センター, 助教 (20876255)
新井 勝紘 専修大学, その他部局等, 参与 (40222707)
原山 浩介 日本大学, 法学部, 教授 (50413894)
白井 哲哉 筑波大学, 図書館情報メディア系, 教授 (70568211)
根津 朝彦 立命館大学, 産業社会学部, 教授 (70710044)
西阪 仰 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 名誉教授 (80208173)
今井 勇 神奈川大学, 法学部, 非常勤講師 (90451674)
秋山 道宏 沖縄国際大学, 総合文化学部, 准教授 (90813767)
長島 祐基 早稲田大学, 社会科学総合学術院(先端社会科学研究所), 助教 (20979364)
高田 圭 法政大学, 国際日本学研究所, 准教授 (60837889)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 現代史 / 社会運動 / アーカイブズ / オーラルヒストリー / 成田空港 |
Outline of Annual Research Achievements |
本共同研究は、1960年代から1970年代の日本で展開された住民運動のなかでも、最大規模で長期に持続した三里塚闘争(成田空港建設への反対運動)について、当初は局地的かつ短期に収束する可能性もあったこの運動に地域外から多様な支援運動が合流し、1970年代には全国レベルで支援運動が展開された要因と過程を一次資料を用いて解明することを主な研究目的とする。そして、音声や動画などの視聴覚資料も駆使し、歴史学、アーカイブズ学、映画学、社会学の領域横断型の共同研究を推進する。文書資料と視聴覚資料の相互補完的な研究手法の確立によって戦後史研究に新たな方法的視座を提供することが本共同研究の研究方法論の面における研究目的である。 以上の研究目的のもと、2023年度には、引き続き研究組織をA文書資料研究領域(重点領域)、B視聴覚資料研究領域(重点領域)、C地域資料収集領域(副次領域)の編成として、各領域で主に研究対象とする重要資料の分析と資料のデジタル化を進展させた。具体的には、計2回の全体会議と計7回の研究報告会をオンラインと対面の両方式で開催し、研究対象とする資料の整理と分析を行う資料整理調査会は計8回を対面開催した。以上をもとに学術論文を発表し、学会発表等を行った。そして、2024年2月に調査地である千葉県成田市にて地域住民や研究者を対象に研究成果を報告する講演会を開催し、本共同研究の成果の地域・社会への還元も図ってきた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究の目的は二つある。第一の目的は、三里塚闘争(成田空港建設への反対運動)および地域外からの多様な支援運動の展開要因と過程を解明することである。三里塚闘争の歴史的推移に関する実証研究は日本史学のみならず、隣接分野も含めて蓄積が少なく、特に支援運動の形成要因と展開過程は未解明である。本研究はこれらの歴史的過程を一次資料で実証的に明らかにすることを目指す。 第二の目的は、文書資料と視聴覚資料の相互補完的な研究手法を確立することである。関連するアーカイブズには未整理の膨大な文書資料が残されており、中には音声や動画等の視聴覚資料もある。領域横断型の共同研究でこれらを活用し、文書資料と視聴覚資料の相互補完的な研究手法を確立することを目指す。 3年目の当共同研究は、第一の目的について、主として全体会議と研究報告会の継続開催を通して重要資料を選定し、資料整理調査会を対面開催して重要資料へのアクセス機会を増やすことができた。第二の目的については、デジタル化した視聴覚資料への本格的なアクセスを実現した。そして、成田空港空と大地の歴史館で継続開催した資料整理調査会に加えて、千葉県立中央図書館や立教大学共生社会研究センターへの資料調査も継続実施でき、複数のアーカイブズを活用した共同研究へと本研究を展開させることができた。以上をふまえて学術論文を発表するとともに、学会報告や調査地での学術講演会等を実施し、本研究は2023年度に計画した内容を順調に実施し、社会・地域に向けた共同研究の成果発信を実現した。 以上から、本研究は、「おおむね順調に進展している」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
2023年度の研究成果をさらに展開させるために、2024年度には成田空港空と大地の歴史館、千葉県立中央図書館、立教大学共生社会研究センター等のアーカイブズや専門図書館等における資料調査を着実に実現するとともに、A文書資料研究領域(重点領域)、B視聴覚資料研究領域(重点領域)、C地域資料収集領域(副次領域)の各領域の研究成果に基づいて、全体会議や研究報告会で議論を進め、共同研究の成果のとりまとめに向けた見通しをつける。また、2021年度に実施した重要資料のデジタル化のための資料調査において、目録未作成の視聴覚資料がまとまって発見されたことから、これらの研究活用を念頭に置いた視聴覚資料のデジタル化も継続し、資料整理調査会において文書資料と視聴覚資料の双方にアプローチしていく。 以上の推進方策に基づいて、三里塚闘争における運動規模の拡大要因を実証的に解明しながら、領域横断的な研究推進によって、文書資料と視聴覚資料の相互補完的な研究手法を確立する本共同研究の成果を国内外に発信していく。
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Research Products
(18 results)