2021 Fiscal Year Annual Research Report
The Cultural Impact of the Shanghai Tushanwan Missionary Orphanage in Japan
Project/Area Number |
21H00573
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
郭 南燕 東京大学, グローバルリーダー育成プログラム推進室, 特任教授 (30530505)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中尾 徳仁 天理大学, 参考館, 学芸員 (10441437)
李 梁 弘前大学, 人文社会科学部, 教授 (20281909)
白石 恵理 国際日本文化研究センター, 総合情報発信室, 助教 (30816260)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 収蔵品の実地調査 / 土山湾作品の影響力の研究 / 研究成果の刊行 / ウェブ発信の準備 / 国内外の学会で研究発表 / 国内収蔵機関との協働 / 先行研究と既刊書籍の収集 / 国外メンバーとの意見交換 |
Outline of Annual Research Achievements |
メンバーの郭、中尾、白石、内島、島、宮田は、土山湾工房作品の収蔵状況を調べるために、シュファイユの幼きイエズス修道会資料展示室、神山復生病院復生記念館、新村出記念財団重山文庫、黒島教会とその資料室、福岡カトリック神学院、吉徳資料室、岩槻人形博物館、全興寺(大阪市)、長崎歴史文化博物館、町田市国際版画美術館、大村市歴史資料館、大浦天主堂キリシタン博物館、松前町郷土資料館、茨木市立キリシタン遺物史料館などを調査した。 そして、土山湾研究会を3回行ない、1回目は2021年5月26日、2回目は11月13ー14日、3回目は2022年3月5日で、国内メンバー全員8名が研究活動について情報交換をした。 さらに、郭はスロベニアの学会「 Missionary Activities and East Asian Collections 」(2021年5月20、21日)で「The Images of the "Four Last Things" from the Shanghai Jesuits to the Paris Foreign Missions in Japan」を発表し、内島は2022年1月23日、科研基盤B 日本における西洋美術受容史再構築の試み・早稲田大学美術史学会共催で「大浦天主堂キリシタン博物館コレクションとド・ロ版画」を発表し、郭、内島、白石は3月24日に日本基督教会学会で「ド・ロ版画に関する研究:上海イエズス会から長崎パリ外国宣教会へ」を共同で発表した。 刊行物に関しては、郭は"The Nagasaki Angel"を『UNESCO Art Collection Selected works』(2021年11月)に掲載し、内島と島は『大浦天主堂収蔵ド・ロ版画及び版木の調査研究・保存修復事業 第1期報告書』(2022年3月)を公表している。本研究ウェブも作成し、情報入力中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究班は、コロナ感染症のため、調査範囲が限られているものの、上記の調査先を含む20ヶ所を調査することができ、予期しなかった成果を得ることができた。土山湾工房の美術工芸品・聖具などが日本国内に散在していることがわかった。また、土山湾印刷所(慈母堂)の書物が大量に日本に渡り、多くの公的図書館と私的機関に収蔵されていることも明らかになっている。今年の調査先で築いたネットワークを利用して、今後、幅広く調査するための工夫をしている。 メンバーたちは、本研究内容をなるべく多く社会に還元することをこころがけて、国内外の学会で研究発表を積極的に行い、研究成果を日本語と英語で刊行している。 さらに、本研究プロジェクトのウェブ作成が完成し、現在は情報入力中であり、一定規模の情報が蓄積されてから、公開する予定である。 さらに、国外のメンバーとともに情報交換を行い、土山湾工房の作品の宗教的、美術的、社会的、学術的意味を理解するように努めている。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究班は、昨年度の研究成果に基づき、日本国内における土山湾工房作品の収蔵情報を網羅的に調査することを継続する予定である。さまざまな収蔵先に、本研究班の調査目的、土山湾工房作品の日本文化における意味をお伝えし、さらなる協力をえるための工夫を地道に行う必要がある。大きな課題の一つは、土山湾工房の美術工芸品・聖具かどうかを同定するために、上海あるいは台湾にある収蔵品(限られているもの)を把握することは必要である。しかし、昨年度はコロナのため、海外旅行はまだできていないし、今年も楽観的ではない。したがって、多くの書籍や文字資料の収集をひきつづき継続し、先行研究をよく把握しなければならない。本研究の内容をまとめるための論文集の執筆と、調査した作品の展示会の準備も今後の活動の一部となる。
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Remarks |
本ウェブサイトは未公開。現在は情報を入力中。準備が完了次第、公開する予定
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Research Products
(10 results)