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2021 Fiscal Year Annual Research Report

18世紀ヨーロッパにおけるトランス・ナショナルなネットワークの研究

Research Project

Project/Area Number 21H00582
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionThe University of Tokyo

Principal Investigator

西川 杉子  東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (80324888)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 黛 秋津  東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (00451980)
福嶋 千穂  東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (50735850)
西山 暁義  共立女子大学, 国際学部, 教授 (80348606)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2026-03-31
Keywordsプロテスタント / 啓蒙 / 産業化 / 多文化 / ウクライナ / 東中欧 / 18世紀 / ネットワーク
Outline of Annual Research Achievements

本研究は、1760年前後にイングランドの資金援助およびポーランド貴族による職業斡旋によって行われた、オスマン帝国の付庸国モルドヴァ公国フィリペン(現ウクライナ)へのドイツ系プロテスタント入植を分析の対象とし、18世紀中葉ヨーロッパの①地域を結びつけた啓蒙空間のあり方②宗教とナショナル・アイデンティティの変容③「周縁」における「産業化」の具体的諸相④ネットワークの多様性がその後どのように塗り替えられたのか、それらの記憶の解明を試みるものである。
本研究のメンバーは、イギリス、ドイツ、モルドヴァ、ウクライナ、ポーランド、フランスと研究対象を異にしているが、まず5月4日のオンライン研究会において、それぞれがどのようにフィリペンにアプローチできるか、その可能性を検討した。その結果、フィリペン周辺の地域は、複数の言語、宗教、エスニシティが交錯し、しかもそれらの状況が固定化されることなく、変転している点を改めて確認することとなった。また、第二次世界大戦前にフィリペンに言及した研究があることが(数は限られているが)判明した。8月26日の第二回オンライン研究会においては、(1)フィリペンに関わる産業史、(2)辺境論としてフィリペンの問題を取り上げる可能性、(3)18世紀半ばのウクライナの宗教情勢について紹介がなされた。そして、フィリペン入植の展開について、ほぼ20年間のアウトラインの整理を行った。これらは、すべて基礎的な作業であるが、重要なアクター、出来事について大きな手がかりを得たと言えよう。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

それぞれ異なる地域を研究対象とする研究者たちが、フィリペンというヨーロッパの辺境(現ウクライナ)を取り巻くネットワークに着目することにより、フィリペン入植についての基礎的な知識を、一定、程度、得ることができた。これは、科研のメンバーが、これからこの入植にどのようにアプローチするのか、重要な基礎となる。これらは、それぞれの地域だけの研究では得られないであろう情報が多く、それだけでも、多地域の研究者が共同作業を行う利点を確認できた。

Strategy for Future Research Activity

一年目で得られた基礎的な知識をもとに、科研のメンバーはそれぞれの専門領域からフィリペン入植へのアプローチを検討する。今年度は、それぞれの領域での資料収集が欠かせないだろう。特に、代表者は、イギリスとドイツで海外出張を行い、西ヨーロッパからフィリペンへのネットワークに関わったアクターについて、資料収集を行う予定である。一方で、18世紀フィリペンの存在した地域は、現在はウクライナに属しており、ウクライナ・ロシアの戦争のため、現地調査はもちろんのこと、東欧での作業に支障がある恐れが出てきた。科研メンバーが緊密に情報交換を行い、オンライン資料をも活かしながら、研究を進めていく。

  • Research Products

    (5 results)

All 2022 2021

All Journal Article (4 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 1 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] 歴史から見たロシア「勢力圏」の虚実: 黒海沿岸地域におけるロシアの影響2022

    • Author(s)
      黛秋津
    • Journal Title

      外交

      Volume: 72 Pages: 76-81

  • [Journal Article] 早坂眞理著『近代ポーランド史の固有性と普遍性:跛行するネイション形成』彩流社、2019 年2022

    • Author(s)
      福嶋千穂
    • Journal Title

      東欧史研究

      Volume: 44 Pages: 37-18

  • [Journal Article] Henri Arnaud in London, 16992021

    • Author(s)
      Sugiko Nishikawa
    • Journal Title

      Riforma e Movimenti Religiosi

      Volume: 10 Pages: 171-190

    • Peer Reviewed / Int'l Joint Research
  • [Journal Article] 戦時暴力を考える:;第一次世界大戦初期におけるドイツ軍の残虐行為2021

    • Author(s)
      西山暁義
    • Journal Title

      外交史研究

      Volume: 66 Pages: 1-14

  • [Book] 岩波講座 世界歴史 01 世界史とは何か2021

    • Author(s)
      小川幸司編
    • Total Pages
      342
    • Publisher
      岩波書店

URL: 

Published: 2022-12-28  

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