2021 Fiscal Year Annual Research Report
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21H00584
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shiga University |
Principal Investigator |
大清水 裕 滋賀大学, 教育学部, 教授 (70631571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
瀧本 みわ 東京藝術大学, 美術学部, 講師 (60816510)
宮坂 渉 筑波大学, 人文社会系, 准教授 (70434230)
佐藤 育子 日本女子大学, 文学部, 研究員 (80459940)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ローマ帝国 / 北アフリカ / 農業 / チュニジア / アフリカ / ローマ法 / モザイク / カルタゴ |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、研究計画に従って、来年度以降の北アフリカでの現地調査の実施に向けて各自で文献調査を行った。対象とする年代順に書くと、それぞれ、フェニキア本土及びポエニ期カルタゴの農業に関する研究(佐藤)、共和政末期から帝政初期にかけての北アフリカへの退役兵入植に関する研究(大清水)、2世紀の皇帝領の運営と権利関係に関する研究(宮坂)、帝政後期のモザイクにおける農業関連図像についての研究(瀧本)、である。 また、研究協力者で考古学を専門とする向井朋生(フランス国立科学研究センター)も交えて、オンラインで3回(予備的な会合も含めれば4回)の研究会を開催し、それぞれの研究成果について報告し議論するとともに、各分野の最新の研究動向を共有した。特に、次年度のチュニジアでの現地調査は、数多くのモザイクを収蔵するバルド美術館のほか、チュニジア北部のバグラダス川(メジェルダ川)流域の皇帝領遺跡や、その周辺のアウグストゥス期に入植の行なわれた都市遺跡を中心に行うことを計画していることから、関連する諸遺跡の近年の研究状況についての情報を収集・分析した。 なお、第2回の研究会は、佐藤の主宰するフェニキア・カルタゴ研究会第7回公開報告会との共同開催という形をとり、宮坂が「後2世紀属州アフリカの皇帝所領における農業経営と小作人を取り巻く権利関係」というテーマで報告を行った。初年度からいち早く研究成果を公開することができ、今後の研究の進展にもつながるものと期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
今年度は、研究計画に沿って、文献調査を中心に研究の推進を図った。分担者それぞれで研究の進展が得られたが、特に、宮坂は「後2世紀属州アフリカの皇帝所領における農業経営と小作人を取り巻く権利関係」というテーマで公開報告会で発表を行い、多くの反響を得た。単なる文献調査にとどまらず、その成果を広く一般に公開することもできたので、当初の計画以上に進展しているものと判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も、研究計画に沿って研究を推進していく。今年度以降は、研究計画の推進上、チュニジア及びアルジェリアでの現地調査が特に大きな意義を持つものと考えている。新型コロナウィルス感染症の流行状況や国際情勢の変化を踏まえて、安全な現地調査の実施を期したい。
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Research Products
(2 results)