2022 Fiscal Year Annual Research Report
Editing a Multi-perspective Sourcebook of Modern and Contemporary German History
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21H00585
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyoritsu Women's University |
Principal Investigator |
西山 暁義 共立女子大学, 国際学部, 教授 (80348606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
芦部 彰 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 講師 (00772667)
小林 繁子 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (20706288)
小野寺 拓也 東京外国語大学, 大学院総合国際学研究院, 准教授 (20708193)
河合 信晴 広島大学, 人間社会科学研究科(総), 准教授 (20720428)
森田 直子 立正大学, 文学部, 准教授 (30452064)
佐藤 公紀 明治大学, 法学部, 専任講師 (70586536)
辻 英史 法政大学, 人間環境学部, 教授 (80422369)
鈴木 直志 中央大学, 文学部, 教授 (90301613)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ドイツ史 / 史料集 / 複眼的視点 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は、ワークショップを3件実施した(すべてオンライン)。第1回(2022/6/4)は前年度からの継続として、各分担者が担当する時代、テーマについて、ドイツにおける既存の史料集(主にヴォッヘンシャウ社刊行)を取り上げた(担当は芦部:占領・分断期ドイツ史、河合:東ドイツ史)。そこにおいて複眼的視点がどのように展開されているかについての確認とともに、その日本への適用の妥当性、また分担者自身の研究手法、関心をふまえつつ報告し、他の参加者と議論を行った。第2回と第3回はそれぞれドイツの研究協力者を招いてのオンライン講演会を開催した。第2回(2022/9/27)はゲオルク・エッカート国際教科書研究所の研究員であり、ドイツ・ポーランド、およびドイツ・チェコの二国間教科書委員会のドイツ側コーディネーターを務めたマルツィン・ヴィアトル(Marcin Wiatr)氏に、ドイツ・ポーランド共通歴史教科書における複眼的視点について、第3回(2022/10/22)は、グライフスヴァルト大学歴史学研究所にて歴史教育を教え、メクレンブルク・フォアポンメルン州の教育行政にも関わるマルティン・ブーフシュタイナー(Martin Buchsteiner)氏が今日の歴史教育の役割とテーマについての講演を行った。それぞれ講演後は活発な議論が展開された。これらの講演をとおして、複眼的視点の可能性と課題について理解を深めることができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
上記「研究実績の概要」にもあるように、分担者がそれぞれ担当するテーマについてドイツ歴史学におけるレビューを行い、報告を行うことによって、議論を通しての問題意識や目的についての認識の共有を進めることができた。また、外国人研究協力者の講演により、ドイツにおける複眼的視点の実践の現状についても見識を広げることができた。また、彼らとの交流により、代表者である西山がスイス・ドイツ・オーストリアの研究者プラットフォームHistorical Thinking, Culture and Educationの編集委員に加わることになり、ドイツ語圏の研究者との対話を通しての研究の深化が期待できるようになった。
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Strategy for Future Research Activity |
まずは、分担者によるドイツの歴史教材についての分析、報告、議論を一巡させることで、全員が問題の所在について認識することを目指す。そのうえで、複眼的視点を日本の高校および大学における歴史教育の文脈でどのように展開しうるか、そのリスクについても配慮しつつ、検討を進めていくことにしたい。そのためのフォーマットについて提案、議論、精緻化を進め、各自が担当テーマ、パートについての試案のようなものを作成することを目指していく。
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