2021 Fiscal Year Annual Research Report
13-15世紀の対イスラーム宣教に見るキリスト教的世界観の変容
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21H00586
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Doshisha University |
Principal Investigator |
阿部 俊大 同志社大学, 文学部, 教授 (60635788)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野口 舞子 東京大学, 東洋文化研究所, 特別研究員 (00834623)
藤崎 衛 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (50503869)
黒田 祐我 神奈川大学, 外国語学部, 教授 (50581823)
篠田 知暁 東京外国語大学, アジア・アフリカ言語文化研究所, 研究員 (50816080)
梶原 洋一 京都産業大学, 文化学部, 准教授 (50844552)
柳橋 博之 東京大学, 大学院人文社会系研究科(文学部), 教授 (70220192)
佐藤 健太郎 北海道大学, 文学研究院, 教授 (80434372)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ハディース / ベルベル人 / レコンキスタ / 異教徒間関係 / ドミニコ会 / ムデハル |
Outline of Annual Research Achievements |
柳橋博之は、雑誌『イスラム世界』にハディースに関する論文1点を掲載した。佐藤健太郎は、論文集『再 くりかえす世界』に論文「レコンキスタ 中世イベリア半島の「再」征服」、また国際論文集The Maghrib in the Mashriqにイブン・ハルドゥーンに関する英語論文を掲載した。篠田知暁は、国際学術雑誌al-Qantara誌に16世紀モロッコの政治状況を扱った論文を掲載し、またイスラーム法学や異教徒間関係、モロッコの国民史の創造過程など、多様なテーマで4度の学会報告を行っている。野口舞子は東洋文庫の英文論文集にムラービト朝期の忠誠誓約を扱った論文を掲載し、また共訳した書籍『ベルベル人:歴史・思想・文明』を刊行した。スペイン史学会では、12世紀のマグリブ・アンダルスにおけるイスラーム説教についての研究動向について報告している。西洋史分野では、黒田祐我が拡大地中海史研究会において、「13世紀西地中海圏における捕囚の実態」というタイトルで報告を行い、また論文集『疫病・終末・再生: 中近世キリスト教世界に学ぶ』に論文「「病と毒と異教徒―「他者」の排斥をめぐるラテン・キリスト教世界と中世イベリア半島―」を掲載している。また、藤崎衛は共訳書『地中海と人間』を刊行し、教皇使節についての論文1点を著した他、教皇庁の外国語学習について学会報告を行い、また、教皇庁とモンゴルの関係について、論文1点を刊行し、学会報告を行っている。梶原洋一は学術雑誌『歴史学研究』などにドミニコ会の修学に関する3点の論文を掲載した他、1回の学会報告を行い、共訳書1点が刊行されている。阿部俊大は、教皇庁のムデハルに対する態度を扱った論文1点と、十字軍国家に関する専門書の書評1点を学術雑誌において公表している。このように、いずれの分担研究者も、本科研と関わる各自の専門とする学問領域において多くの業績を上げている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
コロナ禍のため、対面での研究会を行うことが出来なかったが、オンラインで複数回の勉強会を開催し、ムデハルに関する最先端の研究文献の読解などを行って、共同研究を遂行する上で必要な、共通する知識基盤を構築することが出来た。また、各自の研究報告とその後の質疑などを通じ、分担研究者各人が本科研で担当する領域において、それぞれの関心事と、それぞれが本科研で解明すべき具体的テーマをある程度、絞り込むことが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は対面の研究会が可能になると見込まれるため、複数回の対面またはハイブリッドの研究会を開催する。2021年度はムデハルに関する研究文献の読解を行ってきたが、2022年度は13-15世紀の北西アフリカにおける教皇庁の活動などについての研究文献を読解し、引き続き共通する知識基盤の充実を図る。また、個人テーマについての研究報告も行っていく。柳橋博之は、ムデハルに対するイスラーム世界における法的見解について調べる。佐藤健太郎は、後ウマイヤ朝からムワッヒド朝にかけてのアンダルスにおけるモサラべの状況について報告する。篠田知暁はイスラーム圏、特に地中海西部における捕虜や奴隷の扱いについて報告する。西洋史側では、阿部俊大が13世紀のアラゴン連合王国における異教徒統治について、黒田祐我はアルフォンソ10世の治世から13世紀を通じた、カスティーリャにおける異教徒統治について調べる。また、藤崎衛は教皇庁の宣教活動における外国語学習の状況について、梶原洋一 は15世紀の托鉢修道会士ビセン・ファレーの異教徒に対する態度について調べ、報告する予定である。
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Research Products
(24 results)