2022 Fiscal Year Annual Research Report
A Comparative Study on the Competitiveness of Industrial Regions from the Perspective of Path Dependence of Industrial Technology
Project/Area Number |
21H00635
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
北川 博史 岡山大学, 社会文化科学学域, 教授 (20270994)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
與倉 豊 九州大学, 経済学研究院, 教授 (70586552)
鎌倉 夏来 東京大学, 大学院総合文化研究科, 准教授 (00791831)
中島 茂 愛知県立大学, 日本文化学部, 名誉教授 (70188952)
水野 真彦 大阪公立大学, 大学院現代システム科学研究科, 教授 (80305664)
橋口 勝利 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (00454596)
塚本 僚平 福山市立大学, 都市経営学部, 准教授 (50735222)
高野 宏 岡山大学, 社会文化科学学域, 准教授 (30613327)
國米 充之 岡山大学, 社会文化科学学域, 助教 (30273957)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 経済地理学 / 工業地域 / 産業技術 / 経路依存性 / 競争力 / 瀬戸内工業地域 / 阪神工業地域 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、産業技術の経路依存性に力点をおいて、日本の主要工業地域が有する産業技術の系譜と地域性を明らかにし、各工業地域が有する競争力の実態とその獲得過程について検討するものである。具体的な研究目的は次の3点である。一つは、主要工業地域において産業技術に関する資料を収集して経路依存的に確立された技術軌道を企業横断的ないしは産業横断的に捉え、定性的側面からも検討し、地域特有の産業技術の系譜を明確にする。二つは、各工業地域の工業化過程をふまえ、各地域が有する競争力の時期毎の実態を詳らかにする。三つは、工業地域固有の産業技術の系譜と当該地域のもつ競争力の変遷との相互関係性を工業地域間の比較をとおして探りつつ、それぞれ固有の産業技術の系譜に裏付けられた各地域特有の競争力の実態とその獲得過程を明確にする。 2022年度は、研究対象地域を中京工業地帯と瀬戸内工業地域に加えて阪神工業地域とし、工業化ならびに産業技術に関する資料収集を行った。その上で、予察的な分析であるが、産業技術の導入や開発がいかに行われたのかを、それを担った主体間の関係性も含めて分析を行った。また、資料収集に平行して、産業技術に関する国内外の文献調査を行い、理論的な検討を行った。 その結果、2022年度における研究業績は、代表者を含めて、北川(2022a)ほか14編の論文発表となった。そのうち、北川(2022a)、中島(2022)については地域特有の産業技術の系譜に注目しつつ、瀬戸内工業地域および阪神工業地帯における技術の軌道性の一端が詳らかになった。一方、水野(2022a)や塚本(2022)は阪神工業地帯および瀬戸内工業地域における工業化過程と競争力の獲得過程の一部を明らかにしている。さらに、與倉(2022)、鎌倉(2022a、b、c、d)など本研究課題に関する理論的な検討を行った研究成果も得られた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年度の研究実施計画は、研究対象地域を中京工業地帯と瀬戸内工業地域に加えて阪神工業地帯とし、工業化に関する資料および産業技術に関する資料収集を行うこと、加えて、産業技術の分析手法に関する国内外の文献調査を行い理論的な検討を行うこと、にまとめられる。 今年度は、ほぼ計画通りに資料収集を行うことが出来た。また、予察的とはいえ、産業技術の導入や開発がいかに行われたのかを、それを担った主体間の関係性も含めて分析を行うことが出来た。さらに、理論的な検討についてはほぼ計画通りの成果を得たと考えている。 以上のことから本課題の進捗状況を判断するに、概ね順調に進展しているものと考える。
|
Strategy for Future Research Activity |
2021年度はコロナ禍の影響により、年度計画の変更を余儀なくされたが、2022年度においては、資料収集の遅れを取り戻すとともに、年度計画通りに研究が進んだと判断している。今後は、期間全体の研究計画内の今年度の計画の位置づけを確認しつつ、年度計画通りに研究を推進する予定である。
|
Research Products
(9 results)