2021 Fiscal Year Annual Research Report
Anthropological Study of Immergence of Culture in the Midst of Social Crisis in Africa
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21H00653
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Museum of Ethnology |
Principal Investigator |
吉田 憲司 国立民族学博物館, 大学共同利用機関等の部局等, 館長 (10192808)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
亀井 哲也 中京大学, 現代社会学部, 教授 (60468238)
緒方 しらべ 京都精華大学, その他の部局, 講師 (10752751)
伊東 未来 西南学院大学, 国際文化学部, 准教授 (70728170)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | アフリカ / 危機 / 文化 / 創発 / アイデンティティ |
Outline of Annual Research Achievements |
研究初年度の2021年度、まさしく本研究が想定する社会的危機下にアフリカ諸地域は陥った。感染症COVID-19の世界的流行のため、現地アフリカに赴くことはかなわず、予定していた現地に赴いての調査は出来なかった。しかし、すでに現地アフリカ社会でのフィールドワークの蓄積をもつ本研究のメンバーは、現地研究機関とメールあるいはオンラインにより連絡を取り合い、情報収集に努めた。そこで得られた情報は、社会の諸機能が無化するような危機的状況下で、アフリカの人びとがどのように生存をかけて対応してきたかの貴重な資料となると考えている。 研究代表者の吉田は、主にメールと電話を用いて現地研究機関及び現地協力者と連絡を取り、コロナ禍でのザンビアの人びとの活動をリモート調査し、現地調査の実施が可能となった際の準備作業を行なった。 研究分担者の緒方は、主にナイジェリアを対象に最新の民族誌や歴史書、現地のオンライン新聞記事等の文献調査を実施し、この危機的状況下の社会の様子を記録することに努めた。同じく研究分担者の伊東は、テロ組織に占拠されるという危機的状況下におかれたマリ北部の都市トンブクトゥで、略奪・焚書による焼失を避けるためアーキビストと市民が秘密裡におこなった文化財(アラビア語写本)の移送・救出活動について、2014年に実施した調査データのまとめ・分析と追加の文献調査を実施した。同じく研究分担者の亀井は、南アフリカのウィットウォーターズランド大学附属美術館の依頼で特別展の図録に寄稿するなどの活動を実施するとともに、感染症COVID-19下で博物館活動が制限される状況のもと、いかなる文化活動が実施されているかをリモートで調査した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
研究期間初年度である2021年度は、感染症COVID-19の世界的流行により海外渡航が制限され予定していた現地アフリカに赴いての調査が出来なかったため、研究に遅れが生じた。ただし、現地研究機関とメールおよびオンラインで連絡を取り合うことにより、一定の情報収集の成果はあった。 研究代表者および研究分担者は、現在の感染症COVID-19の流行も社会的危機と捉え、現地研究機関および現地協力者と緊密に連絡をとることで、現下で生じている文化の「創発」現象を見逃すことのないように努めており、合わせてPC機器の更新、通信環境の改善等オンラインによる遠隔調査の体制の整備、改善を図っている。また同時に、現地機関との緊密な連携の下、現地調査が安全に実施できる時期を模索している。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間2年目以降は、引き続き現地研究機関および現地協力者とメールおよびzoom等でのオンラインで連絡を取り合うことで情報収集に努めていく。感染症COVID-19の流行の落ち着きをみて、現地アフリカに赴いての調査の可能性を探ることとする。
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