2021 Fiscal Year Annual Research Report
Historical Structure of Global Debt: International Linkage of Growth and Development
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21H00736
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
矢後 和彦 早稲田大学, 商学学術院, 教授 (30242134)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
菅原 歩 東北大学, 経済学研究科, 准教授 (10374886)
林 幸司 成城大学, 経済学部, 教授 (30612775)
浅井 良夫 成城大学, 経済学部, 名誉教授 (40101620)
布田 朝子 群馬県立女子大学, 国際コミュニケーション学部, 准教授 (40533815)
渡辺 昭一 東北学院大学, 文学部, 教授 (70182920)
布田 功治 亜細亜大学, 経済学部, 講師 (70609370)
須藤 功 明治大学, 政治経済学部, 専任教授 (90179284)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | グローバル債務 / 累積債務 / 開発援助 / 貿易金融 / 国際資本移動 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は研究期間の初年度にあたり、研究史・研究課題の整理を行った。具体的には、2021年9月に研究課題をめぐるディスカッションを行い、問題関心のすり合わせと今後の研究課題を展望した。研究代表者・矢後和彦は経営史世界会議において研究課題に関する展望的・試論的な報告を行い、研究分担者との協議を経てグローバル債務を「歴史化」する課題に想到した。また、台湾・シンガポール・ミャンマーに関する地域実証研究を本研究課題の視点からふりかえる研究会を開催し、「国際資本移動」「援助」「借款」「貿易金融」など、それぞれの文脈で理解されてきた事象を統合する視点が提示された。以下はその概要である。
2021年9月24日(金)10:00-11:30 科研費研究会 科研費研究課題に関するディスカッション;2021年12月3日(金)10:00-12:00 科研費研究会 林幸司「台湾の国際資本移動をめぐる問題状況」/布田功治「シンガポールのインフラ整備政策の政治経済分析:1950-1996」/コメント:菅原歩;2022年3月7日(月)13:00-15:00 科研費研究会 布田朝子「ミャンマーにおける金融包摂」/矢後和彦「累積債務問題の発見」
研究分担者で課題研究が先行して進展している林幸司が台湾援助に関する論文をまとめ、同じく研究分担者・浅井良夫が世銀借款に関する論文を仕上げるなど、着実な実績の蓄積がはじめられた。東南アジアの地域研究についても研究課題との問題関心の統合が図られた。また研究代表者・分担者の多くが『社会経済史事典』の執筆に参画し、研究課題にかかわりの深い項目を担当した。第二回世界経営史大会(The 2nd World Congress on Business History)にも矢後和彦・菅原歩が報告を行い、グローバル債務の前提となる借款や国際銀行の展開を報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本年度は新型コロナウィルス感染症の世界的拡大により、当年に予定されていたWorld Economic History Congressが延期され、また海外における資料調査が制約されるなど、当初予定していた研究活動が一部実施できなかった。このため、一部の研究予算について次年度への繰越を行った。
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Strategy for Future Research Activity |
研究期間の初年度で一定の見通しが立てられた研究計画に沿って、次年度以降は資料収集と理論的検討を推進していく。 具体的には、(1)グローバル債務にかかわる統計実証の課題を発見し、債務統計をめぐる構築的アプローチを深める、(2)パリクラブなど、グローバル債務にかかわる「債権国」側の視点と、「債権国」の視点を歴史実証において交錯させて検証する、(3)グローバル債務と国際資本移動の関連について、債券市場、国際銀行、金融センター等のフィールドから実証の課題をあきらかにする、(4)債務とかかわる「援助」の主題について、インド・台湾等を事例に歴史実証を進める、(5)東南アジアの地域研究に即して、債務と「開発」の主題を引き続き検証する。
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Research Products
(12 results)