2021 Fiscal Year Annual Research Report
Comparative Study France- Japan on Health Issue of Managers and Business Continuity/Transfer in SMEs after Disasters
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21H00751
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
亀井 克之 関西大学, 社会安全学部, 教授 (10268328)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
堀越 昌和 福山平成大学, 経営学部, 教授 (00723777)
尾久 裕紀 大妻女子大学, 人間関係学部, 教授 (10185530)
栗岡 住子 桃山学院教育大学, 人間教育学部, 教授 (20736516)
金子 信也 北海道教育大学, その他部局等, 教授 (80423789)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 中小企業 / 経営者 / 健康 / 日仏比較 / 事業継続マネジメント / リスクマネジメント / 日仏共同調査 / コロナ禍 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、日本とフランスでの実態調査を通じて、コロナ禍で顕在化した経営者の健康問題が中小企業の事業継続に与える要因を解明し、個人的な問題とされてきた経営者の健康マネジメントを組み込んだ中小企業の新しい事業継続を提案することにある。また、本研究の学術的独自性と創造性は、中小企業の事業継続マネジメントに関して、これまで対象とされてこなかった経営者の健康問題を取り込み、中小企業の経営特性に見合った新たな事業継続マネジメントを提案することにある。本研究の具体的な意義は、第一に中小企業BCPに関する先行研究では、経営者のリーダーシップへの期待 が大きいが、疾病や傷病等、経営者不在リスクをほとんど考慮に入れていないこと、第二に予備的調査でコロナによる経営者の健康状態の悪化やバーンアウトリスクの亢進、事業継続意欲の減退が顕著に見られたこと、第三に中小企業における経営者の健康マネジメントに関しては フランスで、事業継続マネジメントについては日本で豊富な知見を有し、知見の相互移転を通じて、中小企業経営の一助となりうることである。
こうした研究目的を達成する第一歩として、具体的な研究実績を挙げた。それは、第一に、予備的調査に基づく論文を発表したこと、そして何よりも、日本とフランスで同じ質問票を用いて、中小企業経営者に対するアンケート調査を実施したことである。中小企業経営者の健康問題という学術分野を切り開いだフランス、モンペリエ大学のオリビエ・トレス教授が主宰する研究機関AMAROKと共同で実施した日仏アンケート調査によって、詳細な分析は2年目以降となるが、コロナ禍における中小企業のリスクマネジメントの実態に関するフランスとの比較で得た知見を踏まえ、海外との相互移転可能性が検討できるようになる。また、種々の要因を定量的に把握することができる。そして、2年目以降に実施するインタビュー調査につながる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
1年目に実際に日仏共同調査を実現したが、調査票の設計、フランス語翻訳、フランスの研究者との調整、打ち合わせ、調査結果の比較など、日仏共同調査の実現には、計り知れない労力が必要だった。また、日仏共同調査の実現のため、大きな資金が必要となった。それでも、本研究では、的確に、調査研究を計画し、日仏間で調整の上、調査票を完成して、具体的に日仏共同調査を実現した。したがって、計画していた以上の成果を挙げることができたと考える。
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Strategy for Future Research Activity |
2年目には同じような共同調査を実施する時間と資金が不足しており、2年目の継続調査は断念せざるを得ない状況である。しかしながら、2年目以降、1年目の調査の詳細な分析に努め、フランスにおける中小企業経営者の健康問題研究者と研究交流し、さらに事業継続と事業承継を関連づけて把握してフランスの事業承継研究者と研究交流するとともに、インタビュー調査を推進することによって補填する。
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