2021 Fiscal Year Annual Research Report
戦略的リーダーシップと評判・結束・仲介のネットワークメカニズムの解明
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21H00753
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kansai University |
Principal Investigator |
安田 雪 関西大学, 社会学部, 教授 (00267379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
生稲 史彦 中央大学, 戦略経営研究科, 教授 (10377046)
鳥山 正博 立命館大学, 経営管理研究科, 教授 (60574027)
池田 謙一 同志社大学, 社会学部, 教授 (30151286)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | ネットワーク分析 / 信頼 / ゲーム理論 / ネームジェネレータ- / 社会関係資本 |
Outline of Annual Research Achievements |
今年度は、先行研究の調査サーベイを行い、ネームジェネレータ-調査実施の意義についての議論を重ねた。その結果、ネームジェネレータの開発者であるシカゴ大学ビジネススクールのバート教授と、信頼とゲーム理論を統合した調査実験を加えるべきであり、そのための一連の仮説群と調査項目の精査を進めた。ZOOMの活用により国内外の研究チームとの連絡が活発となり、これまで以上に国際的連携を進めることが可能になった。 また、いわゆる「京都」企業の調査データが蓄積的に進み、時系列データの収集が進展した。データベース企業との連携により、名寄せなどの作業を進めている。 一方、コロナのため、実質に工場訪問や企業訪問などには制約があり、対面形式でのヒアリングやインタビューには困難をきたしたのが実際である。この点は、23年度以降の実行を検討していきたいと考えている。 なお、ゲーム理論についての最新の知見をとりいれるため、カリフォルニア大学ロサンゼルス校のマイケル・チェ教授との連携が深まり、図書の再訳(新訳)本を出版することが可能になった。(現時点でみすず書房にて、印刷中、6月か7月に発行予定)。新訳の出版に際しては、完全に原稿を改訂し完成度を上げた。また、祇園に関する組織学会、INSNA(国際社会ネットワーク学会)にての過年度の報告をもとに、原稿の執筆と本の企画を進めている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
京都企業のネットワークについて、基礎的な情報を整理中であり、時系列データの蓄積も進んでいる。また祇園地域におけるフィールドワークはコロナ禍のため限定的にしか実施できなかった。だが。この間に、理論的考察を進め、当初の概念枠組みではふくまれていなかった、ゲーム理論的要素をネットワーク問題に関連させる調査手法の構想と精査を行ったことは大きな成果であり、予想外の進捗であったと考えている。またソーシャルキャピタルについてのディスカッションを国内の研究協力者と連携し、zoomあるいは対面で限定的ながら、実行できたことも来年度以降の成果につながるものと確信している。
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ禍のための制約が限定的になると予測されるため、今後はより積極的に共同研究チームとの対面会議や共同調査の実施を進めていきたい。また、海外渡航が可能になれば、国際的な連携力をいかし、シカゴ大学ビジネススクール、イタリアボッコーニ大学、カリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究者らとの連携を強めることにしたい。京都企業のネットワークについては地元のフィールドワークも進め、在住地の強みをいかして、見えない関係を可視化するための現場の作業を実施していくつもりである。
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