2021 Fiscal Year Annual Research Report
Usefulness of Non-financial Indicators in the Public Sector
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21H00762
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Yokohama City University |
Principal Investigator |
黒木 淳 横浜市立大学, 国際商学部, 准教授 (00736689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 周作 東北学院大学, 経済学部, 准教授 (20814586)
小沢 和彦 横浜市立大学, 国際商学部, 准教授 (30754428)
若林 利明 上智大学, 経済学部, 准教授 (80705666)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 非財務指標 / ナッジ / アイデンティティ / 組織変革・慣性 / 情報の非対称性 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,情報の経済学および行動経済学の知見を援用し,公共部門における非財務指標の有用性を明らかにする。具体的には,公共部門である地方公共団体ならびに医療機関などの非営利組織において,非財務指標および非財務指標と関連したナッジを用いることで,①行政管理者と関係者とのあいだの情報の非対称性,②行政管理者の持つバイアスを緩和する効果を持つこと,③それらの効果がマクロ・ミクロ組織的視点によって関係していることを予想し,検証することをめざす。 本プロジェクトの初年度として本年度は、①行政管理者と関係者とのあいだの情報の非対称性を緩和するための非財務指標の役割と有用性を明らかにする実験結果について研究を推進,②行政管理者の持つバイアスを緩和する効果を持つことを示すための質問紙実験を市民活動団体支援担当者宛で新たに実施,③それらの効果がマクロ・ミクロ組織的視点によって関係していることを示すために、アイデンティティとアスピレーション・レベルの観点から研究を進展させた。 ①はオンラインでの国際学会で4回報告し、すでに2本研究論文を刊行できた。また研究成果及び先行研究からアウトカムに焦点を絞った地方政府マネジメントの必要性について示唆が得られた。②は質問紙実験と分析を終え研究論文執筆を開始している。③は1本ワーキングペーパーをすでに公刊しており、1本は2022年度中に学会報告・論文執筆できるよう研究が蓄積された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
本プロジェクトの初年度として本年度、さっそく研究テーマに関連する論文を刊行でき、実験やワーキングペーパーの公刊などの基礎固めが実施できた。 ①行政管理者と関係者とのあいだの情報の非対称性を緩和するための非財務指標の役割と有用性を明らかにする実験結果について研究を推進,②行政管理者の持つバイアスを緩和する効果を持つことを示すための質問紙実験を市民活動団体支援担当者宛で新たに実施,③それらの効果がマクロ・ミクロ組織的視点によって関係していることを示すために、アイデンティティとアスピレーション・レベルの観点から研究を進展させた。 ①はすでに2本研究論文を刊行でき、②は実験を終え研究論文執筆を開始している。③は1本ワーキングペーパーをすでに公刊することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度、それぞれ4つのプロジェクトごとに研究を進め、着実に進捗させる。 ①行政管理者と関係者とのあいだの情報の非対称性を緩和するための非財務指標の役割と有用性をさらに明らかにするために、2022年度中に質問紙実験を再度実施する。 ②行政管理者の持つバイアスを緩和する効果を持つことを示すために実施した市民活動団体支援担当者宛の質問紙実験の結果をまとめ、論文化する。 ③マクロ・ミクロ組織的視点によって非財務指標と意思決定が関係していることを示すために、アイデンティティとアスピレーション・レベルの観点から研究を進展させる。アイデンティティに関しては心理学を活用した地方政府論文を新たに執筆する。アスピレーション・レベルの論文については分析結果を論文化する。
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