2021 Fiscal Year Annual Research Report
Changing Life Course in Long-term Perspective
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21H00777
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
津谷 典子 慶應義塾大学, 大学共通, 教授 (50217379)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
黒須 里美 麗澤大学, 国際学部, 教授 (20225296)
石井 太 慶應義塾大学, 経済学部(三田), 教授 (50415816)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | ライフコース / 長期的視点 / 結婚と家族形成 / 長寿化 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、1950~2015年の戦後期を中心に、将来人口推計を用いて2065年までの今後50年間の変化を展望し、戦前の人口統計と18~19世紀の近世人口史料を用いて歴史的変化をたどることにより、わが国の男女のライフコース変化を長期的視点から実証分析することを目的とする。本研究が分析対象とするライフコースとは、出生、結婚、家族形成、死亡といった人口イベントにより形成されるプロセスを指す。 2021年度にはまず、最も基本的な人口イベントである死亡・寿命に焦点を当て、男女の年齢別死亡確率の変化に関する分析を行った。ここでは、生命表による戦後と戦前の男女別平均余命の推計結果を基に寿命のトレンドとパターンの変化を考察し、その結果を学会で報告した。また、将来人口推計の手法に関する検討を行い、2015~2065年の男女別平均余命の変化の将来展望についても考察を加えた。 18~19世紀の近世についても、人別改帳データを用いて男女別平均余命を推計した。また、この史料を用いてミクロデータファイルを構築し、男女の死亡のパターンと要因について多変量解析を行った。そして、この結果を英文論文にまとめて国際学会で報告した。 2021年度にはまた、ライフコースにおいて最も変化の大きい人口イベントである結婚についても分析を始め、初婚のタイミングと要因を男女別に推計・解析し、その結果を英文論文にまとめて学術雑誌に投稿した。さらに、近世の結婚とその解消のパターンと要因についても分析を行うべく、データファイルの構築を開始した。しかし、近世人口史料にはデータのセンサリングが多く、それには人口移動が多く関わっていたことが示唆されることから、センサリングに対応するためのデータファイル構築と分析手法の工夫を行ったうえで、人口移動のパターンと要因についての分析を行い、その結果を学会で報告した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は、ライフコースを規定する最も基本的な人口イベントである平均余命(死亡・寿命)について、その長期的トレンドと年齢パターンの変化を男女別に分析・考察した。さらに、18~19世紀の近世についても、男女の死亡のパターンと決定要因に関する推計・解析を行った。そして、これらの成果を内外の学会において報告した。 次に、社会経済変動に伴う変化が最も大きい人口イベントである結婚行動について、2000年以降に実施された大規模調査データを用いて、初婚のパターンと要因を男女別に分析・解析し、その結果を英文論文としてまとめ学術雑誌に投稿した。 また、18~19世紀の近世における結婚パターンと要因の分析のためのミクロデータファイルの構築を開始し、必要とされるデータ構築の工夫と分析モデルの精緻化について考察し、その結果を論文にまとめた。さらに、近世人口史料には人口移動(結婚とその解消に伴う移動も含む)によるデータのセンサリングが多発していることから、人口移動について理由別に分析を行い、その成果を内外の学会で報告した。 このような状況から、本研究課題の進捗状況は「おおむね順調に進展している」と自己評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度には、社会経済発展による変化が最も大きい人口イベントである結婚の分析を中心に研究を進める。特にここでは、結婚とその解消を総合的に分析するために有効な手法である結婚の多相生命表について検討し、既存の人口統計による推計が可能な戦前・戦後期のみならず、将来推計の手法についても工夫と精緻化を試みる。さらに、18~19世紀の近世について、2021年度に行った分析手法の工夫に基づいて構築した男女の年齢別配偶関係データを用いて多相生命表による結婚行動の分析を行う。これに、2021年度に行った死亡・寿命のタイミングと遷移確率に関する分析結果を加味することにより、男女のライフコースの長期的変化を総合的に考察する。2023年度には、これらの結婚とその解消及び寿命に関する一連の分析結果をまとめて内外の学会で報告し、英文論文として雑誌掲載をめざす。さらに2023年度には、家族形成のパターンと要因についての分析を開始し、2024年度にその成果を学会で報告し、論文としてまとめて雑誌掲載をめざす。
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Research Products
(17 results)