2022 Fiscal Year Annual Research Report
Strengths perspective in social work practice toward establishment of comprehensive support system
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21H00793
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | International University of Health and Welfare |
Principal Investigator |
白澤 政和 国際医療福祉大学, 医療福祉学研究科, 教授 (20094477)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 包括的支援体制 / ケアマネジメント / コミュニティマネジメント / 相談支援包括化推進員 |
Outline of Annual Research Achievements |
包括的支援体制事業を実施している市区町村の相談支援包括化推進員11名を対象として面接調査を実施し、M-GTAでもって業務内容を分析した。その結果、相談支援包括化推進員は≪支援体制づくりへの意識≫として<包括的相談支援体制の必要性>と<総合的相談窓口の必要性>という意識と≪包括的相談支援での意識≫としての<価値><姿勢><スキル><信頼関係>の意識である【包括的な相談支援体制の基盤】を有していた。これをベースに、【コミュニティマネジメント】と【ケアマネジメント】の2つの業務を実施していた。【コミュニティマネジメント】は、≪地域の基盤整備≫としての<地域の支援体制の現状把握>と<地域の支援者の組織化>をとおした<支援者間の関係づくり>と、≪包括的な相談支援体制の整備≫としての<連携に向けたの環境づくり><利用者の発見体制><地域の実情に合わせた運用体制>を整備する実施過程となっていた。【ケアマネジメント】は、≪個人・家族支援開始≫として<利用者の発見><アウトリーチ><介入><エンゲージメント>と、≪相談支援包括化推進員による多機関調整≫としての<アセスメント><プランニング><合意形成><支援の実施><進捗管理と支援の評価><終結>の過程を実施していた。 相談支援包括化推進員には包括的支援体を制確立していこうとする意識を有していることを基本に、コミュニティマネジメントでは従来の範囲を超える地域全体での活動が求められることが明らかになった。通常のケアマネジメントに追加される要素や強調点の異なる部分が明らかになったが、特に、開始時の過程ではアウトリーチが起点になり、エンゲージメントの前に介入が入っていることから多問題家族へのアプローチの特徴を、また支援過程でのプランニングと支援の実施の間に合意形成が入っており、個人・家族も含めたチームアプローチが不可欠な支援の特徴が示されている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は、対面での相談支援包括化推進員への面接調査を予定していたため、コロナパンデミックの状況で、計画年で実施できず、研究が遅れてしまった。そのため、相談支援包括化推進員のついての量的調査と相談支援包括化推進員に対する郵送調査と連続して実施することになった。
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Strategy for Future Research Activity |
1年遅れとなったが、質的調査結果でもって、相談支援包括化推進員の業務内容の過程を仮説として結論を得ることができたので、仮説に合わせた全重層的支援隊体制整備事業を実施している189市区町村の相談支援包括化推進員に対する郵送調査でもって検証することにつなげることができた。 具体的には、重層的支援体制整備事業を実施している全189市区町村の相談支援専門員を対象に業務内容についての郵送調査を実施し、従属変数として質的分析で明らかになった包括支援体制の構築に必要なケアマネジメント過程とコミュニティマネジメント過程を一体にした活動過程の実施度とし、独立変数として、個人、家族、地域の人々や団体についてのストレンス支援度とし、相談支援包括化推進員の基本属性および所属市区町村および機関の属性とした。ここから、包括的支援体制整備事業で相談支援包括化推進員が個別支援と地域支援を推進している要因を明らかにすることになる。さらに、包括支援体制実現のために求められている「包括的相談支援事業」、「参加支援事業」、「地域づくり事業」についての実施の留意点と課題について自由記述で尋ねたが、それにより、相談支援包括化推進員が3つの事業を進めていく上で留意すべき点と課題を質的研究でまとめることで、今後の研究の推進方策を示すことができる。
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