2021 Fiscal Year Annual Research Report
災害時要援護者が参画する包摂型地域防災プログラムの構築に関する基礎的研究
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21H00798
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
古山 周太郎 早稲田大学, 人間科学学術院, 准教授 (80530576)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福留 邦洋 岩手大学, 地域防災研究センター, 教授 (00360850)
川澄 厚志 金沢大学, 人間科学系, 准教授 (00553794)
相馬 大祐 福井県立大学, 看護福祉学部, 准教授 (70533199)
小山田 建太 常磐大学, 人間科学部, 助教 (80880236)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 災害時要援護者 / 防災教育 / インクルーシブ防災 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、災害時の要援護者の支援ニーズの整理と地域からの支援の実態を整理することを目的に、要援護者支援についてのデータベースの作成を行った。仙台市内の障害者支援団体では、東日本大震災で被災した障害者を発災から半年間にわたり支援した。その支援団体から個別支援カルテを提供してもらい、対象者の基本情報、支援ニーズ、支援活動を項目化しデータベースを作成した。データベース作成により障害種別、支援時期による支援活動の傾向が明らかとなっている。 また、要援護者支援を学ぶ防災教育プログラムの構築に向けて、高齢者向けの安心防災手帳を用いたデータ収集と、個別アンケートにより世帯状況や災害意識の調査を実施した。安心防災手帳では、災害への備えの現状と高齢者の防災についての課題が明らかとなり、また世帯状況や前・後期高齢者による防災への対策や意識の相違が明らかとなっている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
災害時の要援護者支援記録の分析からみるニーズの整理については、まずデータの利活用に際して、個人情報の保護等のとりきめを障害者支援団体と覚書を交わした。提供された個別支援のケースが相当数であったこと、またケース記録の様式が一部異なっていたこともあり書式の統一の必要が生じたため、当初よりも時間が要した。しかしながら、データベースの作成は完了しており、次年度以降のデータ分析には支障はない。 災害時要援護者に関する防災教育プログラムの構築に向けて、安心防災手帳を用いたワークショップにより、データ収集を行う予定であった。しかしながら、新型コロナウィルスの影響で、災害時要援護者に該当する高齢者や障害者への健康上の理由から、ワークショップ形式での開催は困難であった。そのためオンラインによる実施に切り替えた関係上、若干のプログラムの変更や、対象者へのガイダンスが必要となった。結果的に、データ収集には時間がかかったものの、調査は予定通り実施できた。 インドネシアにおける要援護者が参画する地域防災プロジェクト調査では、インドネシア赤十字と日本赤十字社が実施したベースライン調査に基づいて、防災対策と災害意識および要援護者の実態と意識把握を実施した。新型コロナウィルスの影響により、調査実施自体が当初の計画よりも遅れたために、現在、対象となる村ごとの地域活動の実態や、防災への取り組みの実施状況、また要援護者の人数や年齢や生活状態について分析中である。
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Strategy for Future Research Activity |
災害時の要援護者支援記録の分析からみるニーズの整理については、作成したデータベースをもとに、特に居住環境の影響に着目して、次のような分析を進める。まず、支援ニーズとその背景・要因の整理を行い、続いて、支援活動を分類しその傾向を把握する。最後には居住環境に関連するニーズや背景と、支援活動の3つの分類の関係に着目して分析を加える予定である。これにより、被災時における居住環境の変化が障害者に及ぼす影響と、それへの対応方法のありかたを考察することが可能となる。 災害時要援護者に関する防災教育プログラムの構築に向けては、障害当事者が中学校で防災教育を実施するプロジェクトについての調査を行う。同プロジェクトは、車いす利用者などの避難支援を中学生が実践的に学ぶといった特徴をもつ。調査は、防災教育を受ける中学生に対して、障害理解や災害時要援護者への支援意識が、事業実施前後でどのように変化するのかをアンケートによって把握する。あわせて、教員や参加した障害当事者へのヒアリング調査も実施予定である。 インドネシアにおける要援護者が参画する地域防災プロジェクト調査では、実際に現地を視察訪問して、地域防災に関連する活動の実態と、プロジェクトに参画する住民の意識調査を実施予定である。ベースメント調査の結果から、村ごとに地域活動や災害危機意識に差があることが明らかになっているが、実際の地域防災活動への影響についても把握する。加えて、インドネシア赤十字社スタッフや、村の行政職員についてもヒアリングを行い、プロジェクトの全体像や、同プロジェクトが村に及ぼした影響についても調査する予定である。
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Research Products
(1 results)