2022 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
21H00808
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
鶴永 陽子 島根大学, 学術研究院人間科学系, 教授 (60517051)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松野 恭子 東亜大学, 公私立大学の部局等, 教授 (00461278)
坂口 剛正 広島大学, 医系科学研究科(医), 教授 (70196070)
板村 裕之 島根大学, その他部局等, 名誉教授 (80109040)
高橋 哲也 島根大学, 学術研究院人間科学系, 教授 (90325035)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 食品系バイオマス / 多糖類 / タンパク質 / 嚥下困難者用食品 / クロマト分画 / 機能性評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は軟化などにより廃棄される未利用資源の渋ガキ(未脱渋)ペーストの活用方法を重点的に検討した。廃棄される渋ガキをそのままペースト状にして急速冷凍することにより、1年中有効利用できることを確認した。また、豆乳(SM)や練乳(CM)とタンパク質複合体を形成させることで、渋ガキの渋みを除去する新しい簡易な方法を検討した。これらは容易に入手でき、食品製造に頻繁に使用されている素材である。SMまたはCMを素材全体の10%添加し、可溶性タンニンの含有量を測定し、渋味除去効果および再発防止効果を検討した結果、SMおよびCMともに、加熱処理後の渋味除去、再発抑制効果が極めて高いことを明らかにした。また、SMは渋ガキペーストの品質指標である離水や褐変の影響を抑制することが確認された。さらに、多糖類の添加により、品質を維持したまま渋くないカキペーストを製造する方法を検討し、国際ジャーナルに投稿した。さらに、その技術の応用として、ゲル化剤(スペラカーゼ)を利用した嚥下困難者食品を試作した。渋ガキ重量に対して2%のスベラカーゼを混和すれば渋が抜けることを明らかにし、渋ガキを材料とした柔らかめの羊羹を試作した。 これまで、HW-40F,HW-55Fゲルクロマトグラフにより,アセトン-8M尿素(6:4,pH2)溶媒を用いて、カキ幼果抽出液の分子ふるい分画を行ってきたが、抗ウイルス評価にはアセトンフリーの溶媒にする必要があるため、メタノール-8M尿素(6:4,pH2)溶媒で分画を試みた。しかしながら、ゲルにポリフェノールが吸着されたためか、溶出できなかった。2023年度にゲル濾過分画を再検討し、分画液の抗ウイルス評価を行う。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
食品系バイオマスの収集ならびに機能性評価、それらを活用した嚥下困難者用食品の試作については、計画どおりデータが取得できているが、クロマトによる抽出液の分画については当初計画よりも遅れている。しかしながら、嚥下困難者用食品製造の基本となる技術、効率的な機能性成分抽出のための前処理方法について、国際ジャーナルに掲載された。そのため、全体的には「おおむね順調」と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
進捗状況がおくれている抽出液の分画作業を直ちに行うとともに、嚥下困難者用食品の新たな試作品について検討する。さらに、学会や論文にて発表できるようデータの取得・解析につとめる。
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Research Products
(4 results)