2021 Fiscal Year Annual Research Report
Actual History of Conducting Formative Examination at Schools during the Taisho New Education Era
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21H00828
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Japan Women's University |
Principal Investigator |
橋本 昭彦 日本女子大学, 人間社会学部, 研究員 (80189480)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
遠座 知恵 東京学芸大学, 教育学部, 准教授 (20580864)
橋本 美保 東京学芸大学, 教育学部, 教授 (60222212)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 試験廃止 / 小学校令施行規則 / 大正新教育期 / 形成的評価 / 考査 |
Outline of Annual Research Achievements |
■初年度は、第1の調査課題である、大正新教育期の小中学校や師範学校等における試験・評価の実態の解明に着手することを課題とした。関連先行研究を分析したほか、今年度調査した主な資料は、自治体史及び『東京都教育史』や『埼玉県教育史』などのような教育通史であった。それぞれ、関連する時期のページを網羅的に、国立教育政策研究所及び他の公立図書館の蔵書によって調査した。 それらの分析から、注目すべき地域として、近世の教育や試験の影響を受けていた京都府・静岡県のほか、明治・大正期になってからの実践家・理論家・行政家などを輩出した兵庫県・秋田県などに重点調査エリアを設定し得た。 ■史料調査と併行して、研究代表者・分担者および協働研究者とのオフライン・オンラインの研究会や打合せを行った。2年度目の国内・国外の専門学会を通じた情報収集と研究視点の交換の準備をするために、国内外の専門家との予備的な交流に努め、学会発表の準備を開始した。 ■また、日本における<形成的試験>の歴史を近世にさかのぼって考察するために、全国の藩校等における試験の歴史に関する資料の網羅的収集に着手し、自治体史や教育通史を通覧するとともに、『日本教育史資料』第1~第3冊を調査し、200藩ほどの試験データを見いだした。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先行研究や主要既刊資料の整理を終えて、新規に研究するべきテーマを絞り込み、必要な資料の収集を図ることができた。2021年度の学会報告は、史料論的な考察を発表するにとどまったが、2022年度における学会発表においては本研究の核心的な関心に沿った報告をする見通しを得たため、おおむね順調とする。
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Strategy for Future Research Activity |
可能な限り、研究計画にそって進めたい。 本年度の調査としては、前記の概要通りの実績を挙げたが、資料収集は、刊行資料ばかりではなく、「私家文書」や「伝記」類の未刊行資料の調査・記事収集を一層充実させたかった。また、新たな調査地域として、京都府に近く、県庁文書の整理が行き届いている滋賀県も重点的な調査対象に加えたい。また、同じ漢字文明圏・儒教文化圏とされる東アジアの諸国・諸地域の研究者との相互レビューによって、本研究の成果の価値の相対化を試みたく思った。
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Research Products
(3 results)