2021 Fiscal Year Annual Research Report
「教員の働き方」の現在:危機の実態把握にもとづく啓発活動の迅速な展開
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21H00833
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
内田 良 名古屋大学, 教育発達科学研究科, 教授 (50432282)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 哲也 岐阜大学, 教育学部, 准教授 (90631854)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 働き方改革 / 給特法 / 長時間労働 / 在校等時間 / ウェブ調査 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度は教員の長時間労働の実態とそれに関連する教員の意識を、ウェブ調査から明らかにした。具体的には、「学校の業務に関する調査」を2021年11月に実施した。調査の概要は次のとおりである。 ▼目的:全国の小学校と中学校教員を対象にしたアンケート調査から、学校の業務の実態とそれに関連する意識について、国や自治体の調査では拾い上げられないような「現場の見えざる実態と意識」を明らかにする。▼方法:ウェブ調査。▼実施期間:2021年11月20日(土)から28日(日) 。うち5日間が土日・祝日であり、教員が比較的回答しやすい日程を選定。▼対象:①公立小学校の教員、②公立中学校の教員。いずれも、フルタイム(正規採用ならびに常勤講師)で年齢が20代~50代の教諭・指導教諭・主幹教諭に限定。▼サンプルサイズ(有効回答者数):①466名、②458名(合計で924名)。
分析の結果、得られた代表的な知見は次の2つである。第一に、小中学校ともに、休憩時間「0分」が約半数で、所定の「45分」以上の休憩をとっているのは、小学校で5.6%、中学校で11.8%にとどまっている。第二に、学内の勤務についてそれを「正確に申告する予定か」たずねたところ、小学校では、平日に12.2%、土日には43.0%もの教員が、中学校では、平日に14.0%、土日には27.6%もの教員が、「正確に申告しない」と回答している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
もっとも重要な事項である、教員を対象にしたウェブ調査を実施することができた。新型コロナウイルスの感染拡大にともない、幾度と実施時期を延期し、実施のタイミングを見計らいつつ、2021年11月に感染状況が極少規模にまで減少した際に実施に踏み切った。実施後は、その分析結果の一部を、文部科学省記者クラブで報告し、マスコミ各社にも提供し、啓発活動を展開した。YouTubeの「内田良の学校カエルちゃんねる」においても、複数本の動画を公開し、啓発活動に努めた。
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Strategy for Future Research Activity |
2021年11月の「学校の業務に関する調査」の分析は、「速報値」として発表したところであり、今後は、より丁寧な分析をおこない、学会大会や論文等で分析の結果を発表していく予定である。
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