2022 Fiscal Year Annual Research Report
Considerations to Elucidate the Pathology of Handwriting and Support of Children with Developmental Coordination Disorder Based on Internal Model of Motor Control
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21H00890
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Saga University |
Principal Investigator |
松山 郁夫 佐賀大学, 教育学部, 教授 (90363415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日高 茂暢 佐賀大学, 教育学部, 講師 (20733942)
後藤 和彦 東京都立産業技術高等専門学校, ものづくり工学科, 助教 (50907235)
中村 理美 西九州大学, 子ども学部, 講師 (60826593)
芳野 正昭 佐賀大学, 教育学部, 教授 (70284619)
井上 伸一 佐賀大学, 教育学部, 教授 (80260727)
山津 幸司 佐賀大学, 教育学部, 教授 (90299579)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 発達性協調運動症(DCD) / 不器用 / 運動制御の内部モデル / 脳血流動態 / 脳波μ波 / 日本語書字動作 / 眼球運動 |
Outline of Annual Research Achievements |
今後の研究の方向を確認するために発達性協調運動症(ODA)の研究に関する最近5年間の研究状況を把握し、論文化した(発達性協調運動症への捉え方に関する最近の動向 松山郁夫 佐賀大学大学院学校教育学研究科紀要7 309-322 2023)。 前年度実施した定型発達成人を対象に行った書字活動に伴う眼球運動や脳血流活動に関する実験を調整しながらすすめた。国際的に使用されている発達性協調運動症(DCD)のアセスメント・ツールが刊行時期未定で研究使用に制限があるため、日本で実施可能な不器用さや視覚運動協応に関するアセスメント・ツールを集め、予備的に調査を行った。また、書字の不器用さは注意の影響を受けるため、DCD児の注意機能を評価する目的で、オドボール課題を用いた事象関連電位研究の準備を行った。また、DCD児の書字指導について附属教育実践センターでのケースも交えながら検討を進めた。臨床経験と近年の心理学研究を踏まえ、内部モデル障害仮説(Internal modeling deficit, IMD)の観点からDCDにおける書字困難の論点整理を行った。その結果、DCDの書字困難について、学習障害やワーキングメモリ障害における書字困難である漢字の想起に関するものと混同し、筆記スキルという運動面への研究・支援が少ない可能性が示唆された。そこで、IMDの修正を目標としたMotor Imagery Training法をレビューし、病態から指導までの連続したDCDの理解について研究を進めた。その一端を論文化している(手書きの心理運動モデルと内部モデル障害仮説を用いた発達性協調運動症の書字困難に関する検討 日高茂暢, 後藤和彦, 中村理美, 山津幸司, 井上伸一, 芳野正昭, 松山郁夫 九州生活福祉支援研究会研究論文集 16 (2), 1-11, 2023)。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
先述したが、国際的に使用されている発達性協調運動症(DCD)のアセスメント・ツールが刊行時期未定で研究使用に制限があるため、日本で実施可能な不器用さや視覚運動協応に関するアセスメント・ツールを集め、予備的に調査を行った。また書字の不器用さは注意の影響を受けるため、DCD児の注意機能を評価する目的で、オドボール課題を用いた事象関連電位研究の準備を行った。また、臨床経験と近年の心理学研究を踏まえ、内部モデル障害仮説(Internal modeling deficit, IMD)の観点からDCDにおける書字困難の論点整理を行った。その結果、DCDの書字困難について、学習障害やワーキングメモリ障害における書字困難である漢字の想起に関するものと混同し、筆記スキルという運動面への研究・支援が少ない可能性が示唆された。そこで、IMDの修正を目標としたMotor Imagery Training法をレビューし、病態から指導までの連続したDCDの理解について研究を進めた。 以上より、当初当初予定していた通りに研究が進行している状況にある。
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Strategy for Future Research Activity |
1.書字の不器用さは注意の影響を受けるため、DCD児の注意機能を評価する目的で、オドボール課題を用いた事象関連電位研究の準備を進めている。本研究についてデータを分析し、論文投稿を目指す。 2.書字活動に伴う眼球運動や脳血流活動について、今後、小学生等の児童を対象にデータ収集し、不器用さの伴う子どもや発達障害の既往歴のある子どもの特徴について検討する。 3.DCDの内部モデル障害仮説の立場からMotor Imagery Training法の研究を進める。不器用さのある大学生や子どもを対象に実施し、Motor Imagery Training法による効果について検討する。
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Research Products
(4 results)