2024 Fiscal Year Research-status Report
Pathophysiology and Support of Writing Movement in Children with Developmental Coordination Disorders Based on an Internal Model of Motor Control
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23K20721
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Research Institution | Nagasaki Wesleyan University |
Principal Investigator |
松山 郁夫 鎮西学院大学, 総合社会学部, 教授 (90363415)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
日高 茂暢 佐賀大学, 教育学部, 講師 (20733942)
後藤 和彦 東京都立産業技術高等専門学校, ものづくり工学科, 助教 (50907235)
中村 理美 福岡女学院大学, 人間関係学部, 講師 (60826593)
芳野 正昭 佐賀大学, 教育学部, 教授 (70284619)
井上 伸一 佐賀大学, 教育学部, 教授 (80260727)
山津 幸司 佐賀大学, 教育学部, 教授 (90299579)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2026-03-31
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| Keywords | 発達性協調運動症 / 書字困難 / 運動出力 / 手書きの心理運動モデル / 運動制御の内部モデル障害仮説 / 脳波 / 脳血流 / 眼球運動 |
| Outline of Annual Research Achievements |
「運動制御の内部モデルに基づく発達性協調運動症児の書字動作の病態解明と支援の検討」をテーマとして、発達性協調運動症の書字活動における心理生理学的理解と支援法の開発を行っている。 令和5年度に作成した「ADHD に併発症として DCD を持つ神経発達症に関する論文」では、ADHD に併発症として DCD を持つ神経発達症に対する認識と支援について考察した。得られた論文はその内容から、生理的研究、質問紙調査等による研究、運動等による介入の 3 種類に分類された。なお、本研究に類似した方法論を使用する論文がないことも確認している。 本研究では,手書きの心理運動モデルに従いDCDの書字困難を概念整理し,さらに運動制御の内部モデル障害仮説(Internalmodeling deficit,IMD)に基づく運筆の問題と支援についてレビューを行った。その結果、(1)運筆に対するメンタルリハーサルを用いた内部モデルの修正(Motor Imagery Training,MI)が有効であること、(2)MIはCO-OP等の課題指向型アプローチと同程度の効果があること、(3)MIで用いられる正しい運動イメージを学ぶためのビデオは一般化可能であるため、学校現場でも実践しやすい介入法であること、(4)MIによる運筆の改善と負担軽減にICT機器の活用や時間制限の緩和といった環境調整を組み合せることがDCDの手書き支援に必要であることの4点が明確になった。 これらを踏まえて、DCDは他の発達障害との合併も多いため、DCDの理解と支援が不可欠となり、令和6年度は、DCDの「内部モデル障害仮説」の観点から、令和5年度に引き続いて、DCD児の書字活動に注目して、眼球運動や脳波、脳血流、モーションキャプチャ等を活用して、生理学と運動学の視点から対象児者からデータを集積している最中にある。
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| Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
発達性協調運動症(Developmental Coordinate Disorder: DCD)は、同年代の子供と比較すると、運動の速さと正確さの問題を示す神経発達症の1つと取れられている。一般的には不用と表現されている。 微細協調運動に苦手さを示すDCDでは,特に書字困難を示すことが多い。書字困難は、文字の記憶や想起といった認知段階から運筆といった運動出力段階まで、幅広い段階で影響を受ける。しかし、DCDの書字動作の負担を軽減するための介入報告は少ない。このため、試行錯誤をしながら、慎重に研究を進めている状況にある。 DCDはLD、ADHD、ASD等の発達障害との合併も多いため、DCDの理解と支援が不可欠となり、令和6年度は、令和5年度に引き続いて、DCDの「内部モデル障害仮説」の観点から、主にDCD児の書字活動に注目して、眼球運動や脳波、脳血流、モーションキャプチャ等を活用してデータを集積している最中にあるが、他の発達障害との合併症が多いため、対象児の状態像を捉えた上で、時間をかけて先述した通りの諸測定を行っているところである。 上記の理由から、本研究には、当初の予定以上に時間がかかり、データ収集と分析がやや遅れている状況にあるが、研究報告集の作成を含めて、今年度中に本研究を終えるように進行している。
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| Strategy for Future Research Activity |
今後も、当初の「運動制御の内部モデルに基づく発達性協調運動症児の書字動作の病態解明と支援の検討」をテーマとして、発達性協調運動症の書字活動における心理生理学的理解と支援法の開発を行っていく。他に類似した研究がないため、文献は少ないが、現在データが増えてきたため、集まったデータから、DCD児への教育的支援や配慮を検討した上で、学会発表や論文作成を行う。 手書きの心理運動モデルに従いDCDの書字困難を概念整理し、運動制御の内部モデル障害仮説(Internalmodeling deficit,IMD)に基づく運筆の問題と支援についてレビューを行った結果、(1)運筆に対するメンタルリハーサルを用いた内部モデルの修正(Motor Imagery Training,MI)が有効であること、(2)MIはCO-OP等の課題指向型アプローチと同程度の効果があること、(3)MIで用いられる正しい運動イメージを学ぶためのビデオは一般化可能であるため、学校現場でも実践しやすい介入法であること、(4)MIによる運筆の改善と負担軽減にICT機器の活用や時間制限の緩和といった環境調整を組み合せることがDCDの手書き支援に必要であることの4点が明確になった。 これらの見解を踏まえ、DCDは他の発達障害との合併も多いことも考慮して、令和7年度は前年度に引き続き、DCDの「内部モデル障害仮説」の観点から、DCD児の書字活動に注目して、眼球運動や脳波、脳血流、モーションキャプチャ等を活用してデータを集積する。また、支援方法についても検討を行う。 さらに、詳細な分析を加えて考察を行い、研究をまとめる作業をする。その後、本研究の冊子を作成して、得られた見解を関係機関に送付して、本研究で得られた知見を関係機関と共有できるように計らうところまで実施する。
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| Causes of Carryover |
発達性協調運動症児者の脳波等を計測する対象の多くには、ADHD等の発達障害を併発している場合が多いため、発達性協調運動症が顕著な対象を見出すのにかなりの時間が必要であった。このため、令和7年度では、データを増やし、機器のメインテナンスも必要になったこと、及び、本研究報告書を作成して、関連研究をしている機関に配布するため、次年度使用額が生じた。
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