2024 Fiscal Year Annual Research Report
弱い立場のステークホルダーを考慮したエシカルな学習環境の構築
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23K20726
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Research Institution | Nakamura Gakuen College |
Principal Investigator |
井上 仁 中村学園大学, 流通科学部, 教授 (70232551)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
天野 由貴 帝京大学, 理工学部, 講師 (10988702)
中野 由章 工学院大学, 教育推進機構, 教授 (80388686)
隅谷 孝洋 広島大学, 情報メディア教育研究センター, 教授 (90231381)
多川 孝央 筑紫女学園大学, 文学部, 准教授 (70304764)
安武 公一 広島大学, 人間社会科学研究科(社), 准教授 (80263664)
後藤 浩士 九州共立大学, 経済学部, 准教授 (20808852)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2025-03-31
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| Keywords | ラーニングアナリティクス / 個人情報 / データ倫理 |
| Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,ラーニングアナリティクスの実施に際し,個人情報や学習履歴の提供に関する学習者の意識とその多様性を明らかにし,情報の適切な管理手法を検討することを目的とした.特に,学習者の年齢,学習環境,学習内容の違いによって,プライバシーに対する意識や情報提供への態度がどのように異なるか,また学習者が情報提供による明確なメリットを認識した場合に,その提供への抵抗感が低減されるかどうかを主な調査対象とした. 昨年度までは,大学生および同世代の社会人を対象に,データプライバシーおよび著作権に関する意識調査を実施した.あわせて,日常的なコミュニケーションツールであるLINE上で動作するクイズ形式の情報提供・同意取得システムを試作し,実際のサービス利用時における学習者の同意行動や意識の変化を調査するための基盤を構築した. 今年度は,日本と米国の大学生を対象としたデータプライバシー意識の比較を実施した.日本で1,200名の大学生を対象に行った調査結果と米国のEDUCAUSEによる同種の調査結果と比較した.分析の結果,日本の学生は自大学に対する高い信頼やプライバシーポリシーへの理解を示す一方,米国の学生は大学のデータ活用に対する不信感や情報の不透明さを感じている傾向が強かった.特に,「わからない」と回答する割合は米国の方が高く,これは教育的アプローチや制度的な透明性の違いによるものと考えられた. これらの知見は,ラーニングアナリティクスの社会実装において,単に技術的な側面の整備にとどまらず,学習者の信頼を得るための情報提供の工夫や同意プロセスの設計,さらには文化的背景への配慮が不可欠であることを示唆している.
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