2022 Fiscal Year Annual Research Report
定性的・定量的学習記録の組合わせ分析に基づく学習特性改善に関する研究
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21H00907
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
峯 恒憲 九州大学, システム情報科学研究院, 准教授 (30243851)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大場 みち子 京都橘大学, 工学部, 教授 (30588223)
石岡 恒憲 独立行政法人大学入試センター, 研究開発部, 教授 (80311166)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 機械学習 / 振り返り文 / 講師レポート解析 / 感情推定 / フィードバック文生成 / 成績推定 / 学習状況推定 / 表現学習 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度は,講師の生徒の学習状況を記したレポートデータを対象に,その中に含まれる定性的データ(生徒の学習状況を記した文章),定量的データ(理解度,テスト結果)などのデータを組み合わせ利用し,生徒の学習状況を高精度に推定するための特徴抽出手法,生徒の理解度推定手法,生徒の学習状況を記すレポートの自動生成手法と,それを実装したシステム構築,学生や社会人の振り返り文を対象として,それを記述した人物を推定する手法,その記述した人の特徴の一つとなるモダリティ(推量・願望・欲求・断定)を推定する手法などの提案を行った.これらの研究を通して,学習者の学習状況などを推定するため,テキスト情報内の感情情報が有効に働くことがわかった. また,ある目的対象の推定や予測精度を向上させるためには,推定対象のデータと関連のある訓練データを選択することが必要であり,また,選択したデータの分布は,必ずしも正規分布にならないことから,その選択されたデータ分布の推定を行うことが必要となる.このため,時系列データ(商品などのレビューデータ)を対象に,これら訓練データの選択と選択したデータの分布の推定を自動で行う手法を提案した. さらに,目的対象の推定や予測精度向上のためには,その対象と関連しないデータを特定し,除去することが求められることから,そのような関連しないデータの特定を高精度に行う手法の提案を行った.この研究を通し,推定モデルの性能向上に向けて,モデルで扱うデータ表現の特徴が明確化され特定しやすくなるほど,モデルが必要とする計算量は下がり,性能も向上することを確認した. これらの成果は,国際論文誌(IEEE Access)および国際会議(AIED2022, IEEE/WIC/ACM WI-IAT2022, ACM SAC2022, IEEE SMC2022, ESKM 2022(2本), LTLE 2022)のほか,国内研究会・シンポジウム 6件で,研究発表を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
計画通りに進捗が進んでいる.また,当初の計画に無かったデータの取得ができたことから,そのデータを活用し,本研究の目的と関連する研究を実施することができた.具体的には,ある目的対象のデータと関連のある訓練データの選択と選択したデータの分布の推定を自動で行う手法を提案したこと,目的対象の推定や予測精度向上のため,その対象と関連しないデータの特定を高精度に行う手法の提案を行ったことが挙げられる.また,今年度の成果は,Q1 JournalであるIEEE Access,Core Rank AクラスのAIED2022, Core Rank BクラスのWI-IAT2022とSMC2022で発表している.
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Strategy for Future Research Activity |
当初研究計画していたおおよその内容を達成できつつあることから,これまで実施してきた内容の深堀と応用範囲の拡大を検討していく.たとえば,学習者の学習状況などを推定するため,テキスト情報内の感情情報が有効に働くことがわかったことから,この感情情報推定についての研究も進めていくとともに,推定情報を高精度に行ってためには,推定モデルが扱うデータの洗練化が不可欠であり,そのためのデータ表現学習手法についての研究を進める.また,計画時には予想していなかった生成型の大規模言語モデル(たとえばChatGPT)の出現もあり,これらの活用方法を検討していく必要がある.
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