2021 Fiscal Year Annual Research Report
Creation of Biodiversity Education for Citizens in SDGs era
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21H00925
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kobe College |
Principal Investigator |
三宅 志穂 神戸女学院大学, 人間科学部, 教授 (80432813)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
向 平和 愛媛大学, 教育学部, 准教授 (20583800)
藤井 浩樹 岡山大学, 教育学域, 教授 (30274038)
大貫 麻美 白百合女子大学, 人間総合学部, 准教授 (40531166)
高岡 素子 神戸女学院大学, 人間科学部, 教授 (60310463)
出口 明子 宇都宮大学, 共同教育学部, 准教授 (70515981)
三好 美織 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 准教授 (80423482)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 生物多様性保全教育 / バイオリテラシー / 絶滅危惧種 / 野外教育施設 / 野生動物 / 国立公園 / 自然保護区 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究の観点は次の3点である。1)生物多様性保全理念と社会・地域・個人的文脈との関連づけ,2)行動変容を促す教育的要素の探究とそれらの要素をとりいれた教材制作と教育プログラム開発・実践,3)教育プログラムの長期的評価およびプログラム開発手法の理論化。本年度(初年度)は1)と2)に関して,国内外の文献資料に加え,生物多様性保全教育現場(連携先等)での実地調査により,必要な情報を得た。また,地域で話題の環境問題など固有な文脈に関わる資料収集を行った。 国内の地域自治体による自然環境保全と地域活性化の活動事例について情報を収集して,教材の具体的なモチーフとなりうる素材の探索として,地域の希少生物や自然環境に関する調査を行った(広島県竹原市、岡山県笠岡市)。国立大洲青少年交流の家・自然環境館の調査においては,自然・歴史・英語を切り口にした体験プログラム「鴇ヶ森こども冒険プログラム」が開発されており,SDGs世代市民のバイオリテラシー育成に適していることが明らかとなった。このほか,栃木県根元山自然観察センター及び宇都宮大学附属農場でのフィールド調査,栃木県根元山自然観察センター及び宇都宮大学附属農場でのフィールド調査を行った。旅行代理店の協力を得てオンラインツアー「南アフリカでチーターや絶滅危惧種の動物たちの生活を見学しよう!」への予備的参加,及びそれに基づいた研究共同研究者との協議を通して,一般市民を対象としたツアー実施,ならびに試行調査を行った。さらにコロナ禍において,地域(カナダBC州の国立公園、自然保護区)に存在する整備された自然環境のデザインを見直して,こうした自然環境の活用方法について改めて探究することにより,自然環境を活用するためのバイオリテラシーというものの基盤を見いだすことができた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナ禍であり,計画していた調査が一部実施できなかったことと成果発表の場(特に国際学会)が著しく減少した。こうした状況ではあったが,各分担者が自分の専門分野と担当に基づいてオンラインを活用して研究対象の地域を設定するケースと,それに加えて複数の分担者が合同で介入して実践調査するケースとで研究を実施した。後者では,海外のオンラインツアー(南アフリカ)を提供する旅行代理店の協力を得て,一般に参加者を募り,自然への関心や野生動物の保護・保全に関わる人々の意識について調査することができた。各分担者らのフィールド調査により,国内外で自然環境や野生動物と人との関わりについて教材化あるいはプログラム化できる地域の選定とコンテンツの洗い出しを行うことができた。
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Strategy for Future Research Activity |
本研究で設定している目的の3つの観点について,それぞれ深く掘り下げて成果を発信できるように努める。こどもから大人まで幅広い年齢層を対象とするバイオリテラシーに関するフレームワークを提示できるよう研究を進める。幼児期,学齢期,青年期,など年齢層に応じたリテラシーの探究,そして,各地域の問題としての野生動物と人との軋轢や関係性を教材化する視点を模索していく。2年目以降に教材開発やプログラム開発を進めていくことができるように,教材化の要素を構成していく。研究メンバーでのディスカッションを深め,研究成果の集約をすすめる。各分担者が行ってきた調査の論文投稿,学会発表等を促進する。これまでに未調査な箇所(地域,動物園)を洗い出し,本研究に必要なデータを取得する。海外専門家とのディスカッションや国際会議でのディスカッションを進め,研究の総括と新たな研究への展開視点を見出す。
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Research Products
(4 results)