2021 Fiscal Year Annual Research Report
Investigation of the process by which pluralistic ignorance inhibits environmental behaviors: Cross-cultural survey and experiment
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21H00932
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Nara Women's University |
Principal Investigator |
安藤 香織 奈良女子大学, 生活環境科学系, 准教授 (40324959)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉浦 淳吉 慶應義塾大学, 文学部(三田), 教授 (70311719)
大沼 進 北海道大学, 文学研究院, 教授 (80301860)
神原 歩 京都先端科学大学, 人文学部, 准教授 (30726104)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | コミュニケーション / 多元的無知 / 環境配慮行動 / 国際比較調査 / ゲーミング |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、複数の国においてオンライン調査を実施し、多元的無知が実際に環境コミュニケーションを取る意図に影響を及ぼしているのかを検討する。 2021年度は、そのための準備として、調査項目の検討を行い、日本において予備調査を実施した。オンライン調査における回答数は711、有効回答数は331であった。全国の20歳~69歳を対象とし、性別、年代が均等になるように割り付けた。 自身の省エネ問題に関する会話を従属変数とした階層的重回帰分析の結果、環境問題への関心が低い群では他者の会話行動の認知が最も大きな影響を及ぼしていた。一方、自身の環境問題への関心が高い群では、他者の会話行動の認知は有意な影響を及ぼさず、自身の会話意図が最も強い関連を持っていた。環境問題への関心が低い人に関しては、自身が環境問題に関心があるかどうかよりも、他者も環境問題に関する会話を行っているかどうかが会話行動のより重要な規定因となっていることが示唆された。 説得納得ゲームの長期的効果についてオンラインでも効果があるか確認するため、オンラインで実施した説得納得ゲームの効果検証を行った。参加者は108名であり、事前、事後、フォローアップの3回の調査にすべて回答した人数は53名であった。ZOOMのブレイクアウトルーム機能を用いて、3または4名が1グループとなるように設定した。その結果、省エネ行動意図,主観的規範、行動統制感、また環境問題についての会話意図、他者の会話意図の認知はゲーム後にゲーム前よりも高まり、1ヶ月後にもそのレベルが維持されていることが示された。ゲーム中に他者と省エネ行動について議論をすることによって、他者も省エネ問題について会話したいと思っていると認知が変化し、それによって自身の会話意図も高まったのではないかと考えられる。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は国際比較調査のための調査項目の検討を行い、予備調査を実施することができた。予備調査は当初計画では2022年度に実施の予定であったため、予定より早く進んでいる。一方、調査項目の翻訳はまだ実施できていない。予定より早く進捗している部分と遅れている部分があるため、おおむね順調とした。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度は、予備調査の分析を進め、調査項目を確定した後に、調査項目の他言語への翻訳を行う。次年度中に複数の国における国際比較調査を実施する予定である。
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