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2022 Fiscal Year Annual Research Report

ダイバーシティ社会における包摂性概念の精緻化とその機能の検討

Research Project

Project/Area Number 21H00933
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionHiroshima University

Principal Investigator

坂田 桐子  広島大学, 人間社会科学研究科(総), 教授 (00235152)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 小宮 あすか  広島大学, 人間社会科学研究科(総), 准教授 (50745982)
森永 康子  広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (60203999)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
Keywords組織・集団 / インクルージョン / ダイバーシティ
Outline of Annual Research Achievements

令和4年度は,「包摂性の高さが個人及び集団にもたらす効果」を主に検討した。具体的には,職場の部署に所属する人々2000名及び部活・サークル・市民団体などに所属する人々2000名を対象とした縦断調査の1回目を実施した。また,令和5~6年度の計画を前倒しし,企業従業員を対象に,ジェンダーに関する組織のダイバーシティ・アプローチ(以下,DI)と従業員の包摂感との関連を検討した。得られた結果の概要は次の通りである。
1.包摂感が高い人ほど,心理的安全性が高く,不本意に集団の多数派に同調する程度が低いことが明らかになった。このことは,包摂感が安易な同調を阻止することによって,討議による意思決定の質を高める可能性があることを示している。また,包摂感が高い人ほどモチベーションやプロアクティブ行動が高いことも示された。心理的安全性や同調度については個人包摂目標(個人がその集団から包摂されたいと思っている程度)と包摂感との交互作用効果も有意であったが,その効果は包摂感の主効果に比べて弱いものであった。
2.従業員の性別にかかわらず,所属組織のジェンダーに関するDIがジェンダーブラインドネス(男女平等の推進と性別にとらわれない個人差の尊重)であると知覚している従業員ほど包摂感が高く,同化主義(女性を男性並みに働けるようにする)であると知覚している従業員ほど包摂感が低いことが示された。多文化主義(男女それぞれの違いを踏まえた上で長所を活かす)は包摂感と関連していなかった。また,女性従業員の場合,自身の仕事の性質(定型的な業務か非定型的な業務か)と所属組織の女性活躍推進の取り組みの程度が包摂感に関連しており,自身が非定型業務に携わるほど,また組織の女性活躍推進の取り組みが多いほど,包摂感が高いことが示された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

令和4年度に計画していた縦断調査の1回目を予定通り実施できている。集団単位の調査についてはデータの数が揃っていないため遅れているが,代わりに令和5~6年度の計画を前倒しして実施している。そのため,全体的にはおおむね順調に進展していると考える。

Strategy for Future Research Activity

令和5年度は計画通りに進める。集団単位の調査については,企業従業員を対象とする場合は企業側の都合に,学生のグループワークを対象とする場合は授業の進行や受講者数に左右されるため,依頼する組織や大学の対象を広げてデータ収集に努める。

  • Research Products

    (1 results)

All 2022

All Presentation (1 results)

  • [Presentation] 包摂性の構成要素に関する一般化可能性の検討2022

    • Author(s)
      坂田桐子・小宮あすか・森永康子
    • Organizer
      日本社会心理学会第63回大会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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