2021 Fiscal Year Annual Research Report
社会的判断および推論を説明する二重過程モデルの精緻化ー加齢の影響を通じた検討
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21H00935
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Woman's Christian University |
Principal Investigator |
工藤 恵理子 東京女子大学, 現代教養学部, 教授 (50234448)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森 津太子 放送大学, 教養学部, 教授 (30340912)
大江 朋子 帝京大学, 文学部, 教授 (30422372)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 二重過程モデル / 中高年 / 個人差 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、主に大学生である若者を対象とした研究によって確立された研究知見が加齢の影響をどう受けるのかを検討することを通じ、学生参加者においては見いだされにくかった(と想定される)調整要因(個人差)を探ることである。そのためにこれまで大学生(若者)を対象として実施してきた実験課題が中高年者を対象としたときの実施可能性を検討する必要があった。新型コロナウィルスの感染状況により、開始が遅れていた実験室実験を行うことができた。今年度の実験では、特にステレオタイプ使用の抑制過程に焦点を当てた。ステレオタイプ研究で広く使用されているImplicit Association Test(IAT)に加え、Stereotype Misperception Task(SMT)を実施し、ステレオタイプの活性化段階に焦点をあてた実験も測定した。また、実験においては、参加者に複数の実験課題と個人差尺度への回答を求めることで、二重過程の働きについて多角的に検討することを目指した。現在データ分析の途上であるが、分析結果については学会等での発表を予定している。 同じく、新型コロナウィルスの感染状況により、進めることができていなかった、広く実験参加者を募るためのアウトリーチ活動も開始することができた。研究代表者の所属大学の同窓会行事に参加し、心理学実験の簡単なデモを行うイベントを行い、実験参加協力を依頼した。デモは参加者には概ね好評だったため、今後の活動につなげたい。 実験を準備するにあたり、実験で用いる刺激(人工的な顔写真刺激)を自作する必要が生じた。そこで、写真刺激を作成した過程を整理し、紹介する文章にまとめた。写真刺激の作成に用いた写真加工ソフトウェア、写真のデータベースを紹介するだけでなく、それらの長所、短所、制約などの説明と現時点で利用可能なサービスの紹介も含めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウィルスの影響で実施ができなかった実験室実験を実施することができた。また、広く参加者を募集するためのアウトリーチ活動にも着手した。
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Strategy for Future Research Activity |
対面での実験室実験を通じ中高年者を対象としても実施可能であることが確認できた実験課題については、オンライン上で実施することができるよう環境を整え、広く参加者を募集できるようにする。
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Research Products
(1 results)