2021 Fiscal Year Annual Research Report
Cultural differences in moral development and parent-child transference: A cognitive neuroscience approach
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21H00939
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Waseda University |
Principal Investigator |
清水 由紀 早稲田大学, 文学学術院, 教授 (30377006)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
綿貫 啓一 埼玉大学, 理工学研究科, 教授 (30212327)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 道徳推論 / 比較文化 / ERP / アイトラッキング / 社会化 / 親子の相互作用 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,子どもの道徳発達に関する文化を超えた普遍性,および文化固有性について,新たな知見を提供することを目的とする。幼児を対象とし,ERPおよび言語報告を指標とした個別実験を実施することにより,明示的な道徳推論のみならず,道徳判断の直観的過程 がどのように文化と相互作用しながら発達していくのかについて探求する。また,親子の相互作用がどうそのプロセスに関わるかを検討することで,文化的社会化プロセスを明らかにする。 初年度である今年度は,幼児を対象として比較文化研究を実施するための準備を行った。具体的な手続きとしては,子どもに,行為者が受動者に向社会的行動(e.g.,荷物を持ってあげる)と反社会的行動(e.g.,荷物を持っている相手を押す)を行っている場面を交互に見せる。その間の注視行動をアイトラッカーにより,また事象関連電位(event-related potential, ERP)を脳波計により,測定する。日米それぞれにおいて予備実験を実施し,データ分析の結果をもとに,最終的な材料および実験プロトコルを作成した。また脳波データ,視線データ,親の語りのデータの分析方法についても確定した。それらを踏まえ,当初の計画のような脳波と視線の同時計測ではなく,脳波実験とアイトラッキング実験を別々に行う方が適切であることが明らかになり,まずはアイトラッキング実験から開始することとした。 その他の具体的な準備としては,リサーチアシスタントのトレーニング,および日米でのリクルートメントのプロセスを進めた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予備実験を含めた実験準備を,日米それぞれにおいて進めることができたため。
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Strategy for Future Research Activity |
来年度より本実験を開始する。まずはアイトラッキング実験から開始し,子どもの年齢の幅を当初の計画よりも拡大し,日米のデータを比較する。アイトラッキング実験が一段落したら,脳波実験にとりかかる。なお,アイトラッキング実験の実施と並行して,脳波実験を実施するための環境を整えていく。引き続き,共同研究先の機関と綿密な連携を図りながら進めていく予定である。
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Research Products
(16 results)