2023 Fiscal Year Annual Research Report
Negative involuntary recall: Psychological mechanisms of subjective judgment
Project/Area Number |
21H00947
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
松本 昇 信州大学, 学術研究院人文科学系, 准教授 (60813863)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
伊藤 友一 関西学院大学, 文学部, 助教 (00879710)
藤野 正寛 日本電信電話株式会社NTTコミュニケーション科学基礎研究所, 人間情報研究部, リサーチスペシャリスト (90850743)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
Keywords | 無意図的想起 / 直接検索 / 内受容感覚 / 自伝的記憶 / マインドフルネス |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は,内受容感覚の調整を意図したマインドフルネス介入によって自伝的記憶検索と検索過程の主観的判断に変化が生じるかどうかを検討した。研究分担者とともに身体感覚に対する気付きを高めるための8週間マインドフルネス介入プログラムを開発し,ランダム化比較試験を実施した。松本市近郊の参加者をマインドフルネス訓練群と対照群に割り付け,最終的にマインドフルネス群26名,対照群30名が解析対象となった。マインドフルネス介入は内受容感覚尺度得点の増加,マインドフルネス尺度得点の増加,抑うつ得点の低下,不安得点の低下に寄与しており,プログラムの有効性が確認された。マインドフルネス訓練が不随意記憶課題および随意記憶課題における記憶検索過程の主観的認識に与える影響について解析した。その結果,不随意記憶課題においては,介入群の検索の突然性が低下し,検索に費やす労力が増加した。さらに,随意記憶課題においては,介入群において,記憶が直接検索されたと判断する率が低下(生成検索されたと判断する率が増加)することが示された。なお,マインドフルネス訓練が記憶想起数自体を増加させたり,記憶の特定性を向上させるような効果は認められなかった。 以上の結果から,マインドフルネス訓練には記憶の検索過程に対する気付きを促進する効果があると結論づけた。侵入記憶に代表されるフラッシュバックは,検索の突然性が非常に高く,また,強いネガティブ情動が喚起される傾向にあることが知られている。本研究で開発したマインドフルネス訓練は検索の突然性を緩和し,ネガティブ情動喚起の防止につながる可能性があり,臨床的な示唆に富むものである。これらの知見は今後,専門学術誌への投稿を予定している。
|
Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
|
Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
|