2022 Fiscal Year Annual Research Report
Clinical application of compassion to improve the effectiveness of cognitive behaviral therapy for social anxiety and depression
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21H00952
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tohoku Gakuin University |
Principal Investigator |
金井 嘉宏 東北学院大学, 人間科学部, 教授 (60432689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 哲也 徳島大学, 大学院社会産業理工学研究部(社会総合科学域), 准教授 (60779396)
佐藤 友哉 新潟大学, 人文社会科学系, 准教授 (70721900)
前田 駿太 東北大学, 教育学研究科, 准教授 (30823603)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | コンパッション / セルフ・コンパッション / 社交不安 / 抑うつ / 認知行動療法 / 慈悲の瞑想 / virtual reality / 社会的つながり |
Outline of Annual Research Achievements |
以下の4つテーマに関する成果が得られた。 (1)自己に対するコンパッション,他者に対するコンパッションと社交不安,抑うつの関係,および脱中心化による媒介効果を調べるために一般成人2,225名を対象に1ヶ月間隔の縦断調査を行った。そのうち653名から2回目調査への回答が得られた。交差遅れ効果モデルによる共分散構造分析の結果,自己に対するコンパッションの行動が脱中心化を媒介してLSASの恐怖得点と負の関連を示すのに対し,他者に対するコンパッションの行動は直接,LSASの回避得点と負の関係を示していた。 (2)ヒューマノイドロボットに対して悩みの自己開示をすることによって,セルフコンパッションへの影響を検討した。その結果,悩みの苦痛度の低減やセルフコンパッションの増大が認められた。また,情動を生起させうる身体接触の機能を実装したロボットへの自己開示群においては,悩みの苦痛度のさらなる低減に加え,ネガティブ気分の減少や,感情語の増大が確認された。この結果は,ロボットとのコミュニケーションが,セルフコンパッションの向上やネガティブ気分の調整といった,メンタルヘルスに適応的な影響を有する可能性が示唆された。 (3)大学生を対象に,14日間の慈悲の瞑想の実践がポジティブ感情や社会的なつながりの感覚に与える影響を検証する研究を実施した。予備的な解析の結果,対照群と比較して,慈悲の瞑想を実施した群において,ポジティブ感情および社会的なつながりの感覚が増大する傾向がみられた。 (4)大学生を対象に,コンパッションが,日常生活におけるポジティブ感情および接近・回避行動に及ぼす影響を,経験サンプリング法を用いて検討する研究について倫理審査の申請を行った。また,そのための予備研究として,経験サンプリング法によって接近・回避行動を測定するシステムを構築し,その動作チェックのための予備調査を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2022年は新型コロナウイルス感染症の影響があり,唾液採取が必要になるコルチゾールをはじめとした生理指標を用いた研究実施に困難が生じたが,その研究も開始され,当初の予定に追いついてきている。
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Strategy for Future Research Activity |
(1)コンパッションに基づく介入の効果研究(金井) 縦断調査(コンパッション,BIS/BAS,脱中心化,ポジティブ感情,社交不安,抑うつの関係)の解析と成果報告を進める。その調査結果に基づいて,コンパッションに基づいた介入の効果を,無作為化比較試験を用いて検証する研究を実施する。 (2)Virtual Reality(VR)研究の成果報告(山本) これまで実施されたVRアプリおよびコミュニケーションロボットを用いた実験研究の成果報告を行う。具体的には,国際学術雑誌への投稿を行うことで,本研究課題の成果発信につなげる。 (3)慈悲の瞑想の効果検証(前田) セルフヘルプ形式の慈悲の瞑想の効果検証のデータ取得を継続する。また,2週間の慈悲の瞑想の実施が急性ストレッサーに対するストレス反応(コルチゾール指標)に及ぼす影響についてのデータ取得を継続する。 (4)コンパッションと社交場面からの回避の関係の検討(佐藤) まず,大学生を対象に,コンパッションが,日常生活におけるポジティブ感情および回避行動に及ぼす影響を,経験サンプリング法を用いて検討する。また,社交不安症状の高い大学生を対象に,エクスポージャーにコンパッションを加えることの不安症状減少に対する増分効果を検討する。
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Research Products
(8 results)