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2021 Fiscal Year Annual Research Report

VR環境下におけるヒト3D視覚特徴抽出機構の解明とその応用

Research Project

Project/Area Number 21H00968
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionNational Institute of Information and Communications Technology

Principal Investigator

番 浩志  国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所脳情報通信融合研究センター, 主任研究員 (00467391)

Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
Keywords視覚 / 心理学 / 立体視 / VR / fMRI / 両眼視差
Outline of Annual Research Achievements

本申請課題は、バーチャルリアリティ(VR)環境下において、ヒトがどのような映像・画像特徴を利用して豊かな3D(立体)視覚世界を構築しているのかを明らかにすることを目的とする。この謎の解明のため、VRヘッドマウントディスプレイを利用し、条件を統制した3D映像を観察時のヒトの知覚パフォーマンスを計測する心理行動実験と、VR映像手掛かりを処理する脳内情報処理過程を明らかにするためのヒトEEG/fMRI/MEG脳機能イメージング研究を遂行する。
本年度は、3D反転知覚現象の情報処理機構を調べる心理行動予備実験を実施した。具体的には、VRの3D空間内に自分がいると知覚できるためには、視野周辺のどの程度(偏心度)まで両眼視差情報を付加する必要があるのかを検証した。結果、人は周辺視野から両眼視差手掛かりが失われるタイミングを感度良く検出できることが分かった。ただし、両眼視差手掛かりの消失ではなく、低次の画像特徴の変化(線分の途切れなど)を検出している可能性も考えられるため、それらを分離できるよう、本番実験に向けて刺激の微調整を行った。
また、アンサンブル3D知覚を調べる脳機能イメージング実験のデータに対してシミュレーション解析を適用し、背側視覚野V7で3D物体群の奥行きの平均と分散が表象されていることを明らかにした。今後、これらの結果をまとめて国際誌に投稿する予定である。
その他、VR酔いの防止に3D手掛かりが及ぼす影響を調べる心理行動実験を実施し、空間の遮蔽や分断が酔いに及ぼす影響を定量的に評価することができた。この実験は全てのデータ取得と解析を完了し、論文の第1稿を完成させた段階である。今後他の研究者からのコメントを反映させて原稿を改訂し、令和5年度以降に国際誌へ投稿する予定である。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

本研究で実施する予定の実験の1つ、3D反転知覚現象の情報処理機構を調べる心理行動予備実験において、VRの3D空間内に自分がいると知覚できるためには、視野周辺のどの程度(偏心度)まで両眼視差情報を付加する必要があるのかを検証した。結果、研究実績の概要でも述べたとおり、人は周辺視野の変化を当初想定していた以上に感度良く検出できることが分かった。しかし、この検出が本当に3D手掛かり(両眼視差)によるのか、あるいはより低次の画像特徴の変化に依存しているのかは分離できなかった。この両者を区別できないまま本実験を実施しても結果の解釈が困難であると考えられる。そのため、刺激呈示法を改訂して本実験前にもうひとつの検証実験をする時間を確保しなければならない。よって、研究計画には少しの遅れが生じている。
しかしながら、追加実験によってより頑健な結果が得られると考えられるため、多少の遅れを許しても追加実験を実施する必要性、メリットはあると考えられる。追加実験後の予定を修正することで、令和5年度以降に遅れを取り戻したい。

Strategy for Future Research Activity

3D反転知覚現象の情報処理機構を調べる心理行動予備実験に関して、上に述べた通り少しの遅れが生じているため、今後の計画を少し見直し、次年度以降に研究の遅れを取り戻すようにしたい。また、3D手掛かりのアンサンブル知覚研究については、全ての研究結果が揃ったので、その成果の論文化に早急に取り組みたい。また、計画に含まれるもう1つの研究、VR酔いの防止に3D手掛かりが及ぼす影響を調べる心理行動実験については、すでに論文の第1項が完成しているので、ブラッシュアップの後、令和5年度初期に国際誌へ投稿したい。

  • Research Products

    (7 results)

All 2022 2021

All Journal Article (4 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 2 results) Presentation (2 results) Book (1 results)

  • [Journal Article] ヒト視覚情報処理機構の理解とその特性を利用したヒトにやさしい情報通信機器、映像呈示機器の開発2022

    • Author(s)
      番浩志, 相原孝次, バユ ゴータマ ウンダリ
    • Journal Title

      情報通信研究機構研究報告

      Volume: 68(1) Pages: 33-38

    • Open Access
  • [Journal Article] 運動-視覚遅延課題遂行中のヒト心理行動パフォーマンスの 市販VRヘッドマウントディスプレイを用いた計測可能性の検討2022

    • Author(s)
      ウンダリ バユ ゴータマ, フイニン ウー, 番 浩志
    • Journal Title

      電子情報通信学会技術報告

      Volume: HIP2022-71(2022-12) Pages: 70-75

  • [Journal Article] 三次元視覚世界を創る脳の領域2021

    • Author(s)
      番浩志
    • Journal Title

      Brain and Nerve

      Volume: 73(11) Pages: 1231-1236

    • DOI

      10.11477/mf.1416201922

  • [Journal Article] Modulations of depth responses in the human brain by object context: Does biological relevance matter?2021

    • Author(s)
      Chou, I.W.Y., Ban, H., Chang, D.H.F.
    • Journal Title

      eNeuro

      Volume: 8 Pages: 1-14

    • DOI

      10.1523/ENEURO.0039-21.2021

    • Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
  • [Presentation] 運動-視覚遅延課題遂行中のヒト心理行動パフォーマンスの 市販VRヘッドマウントディスプレイを用いた計測可能性の検討2022

    • Author(s)
      ウンダリ バユ ゴータマ, フイニン ウー, 番 浩志
    • Organizer
      電子情報通信学会
  • [Presentation] Binocular and monocular depth cue processing on the human visual cortex; from basic research to applications2022

    • Author(s)
      Hiroshi Ban
    • Organizer
      CiNet-NIPS Joint Symposium
  • [Book] 日本視覚学会編集 図説 視覚の事典 (分担執筆 「視覚オブジェクト」を担当)2022

    • Author(s)
      番浩志
    • Total Pages
      368
    • Publisher
      朝倉書店
    • ISBN
      978-4-254-10294-9

URL: 

Published: 2023-12-25  

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