2022 Fiscal Year Annual Research Report
VR環境下におけるヒト3D視覚特徴抽出機構の解明とその応用
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21H00968
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institute of Information and Communications Technology |
Principal Investigator |
番 浩志 国立研究開発法人情報通信研究機構, 未来ICT研究所脳情報通信融合研究センター, 主任研究員 (00467391)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 視覚心理学 / VR / 立体視 / 3D / 中心視野 / 周辺視野 |
Outline of Annual Research Achievements |
当初の計画では、R4年度11月よりVR環境を用いた心理行動実験を実施予定であったが、VR視覚刺激の整備とパイロット実験に想定以上の時間を要し、研究計画に遅れが生じた。この遅れを取り戻し、実験データ取得を重点的に行うため、R5年度に短時間の研究員を雇用する財源として一部予算の繰越を申請した。 本年度は、この繰越予算で雇用した短時間雇用研究員、および研究補助員と実験環境を整備し、遅れていた心理行動実験のデータ取得を進めた。具体的には、視覚誘発性運動知覚や立体視に注目し、それらの知覚が生じるために必要な最小の視野範囲を同定するパイロット実験、および本実験を実施した。データは解析中であるが、視覚誘発性運動知覚に関しては、中心視野の刺激の有無、視野の分断、対称性などのパラメータが運動知覚の強さに最も影響を与えることを同定しつつある。立体視に関しては、ある程度の視野範囲に立体手がかりがないと、視野全体の立体感を知覚することは困難であるかもしれないという知見を得つつある。しかし、この立体視に関する実験は現在も継続してデータを取得中のため、結論を得るまで幾つかの追加検証実験とデータ取得が必要である。来年度前期の早いうちに全ての心理行動実験データの取得を終え、成果を国際誌へ発表したい。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度予定していた実験を計画通り実施することができたため、順調に進展していると言える。来年度は追加の実験で仮説の妥当性を補強するとともに、成果を論文として発表したい。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度の実験を通じて、VR視環境において視覚誘発性運動や立体感を知覚するためには、ある程度の偏心度まで視覚手がかりを呈示する必要があることが明らかになった。今後は、その有効範囲をより明確に同定し、かつ個人間のばらつきを調べ、例えば、どこまでの視野範囲を確保すれば、刺激の冗長性を低減しつつ、観察者に違和感を感じさない豊かな視知覚体験を提供することができるのかを明らかにしたい。
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