2021 Fiscal Year Annual Research Report
数論的対象の背後にある幾何学の発見・構築を通じたL関数・ガロア表現の研究
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21H00969
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
安田 正大 北海道大学, 理学研究院, 教授 (90346065)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古庄 英和 名古屋大学, 多元数理科学研究科, 教授 (60377976)
山下 剛 京都大学, 数理解析研究所, 講師 (70444453)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 局所新形式 / モジュラーシンボル / p進ホッジ理論 |
Outline of Annual Research Achievements |
研究代表者は 2021 年度に(A) 幾何的な p 進表現のモジュライ空間を統制する幾何的の理論化,(B) モジュラーシンボルの拡張と多重ゼータ値および関数体の数論への応用, (C) CM モチーフの特殊値に関する Beilinson 予想の確立,(D) 局所新形式の理論の構築 についての研究を行った.(A) については, 分担者の山下とともに開多様体のp進Hodge理論についての共著論文の改訂を行った.また西硲拓哉氏の協力を仰ぎ, prisimatic site や Fargues-Fontaine 曲線に関する知識・技術の習得を行い, 次年度以降の研究を実施する体制を整えた. また, E.Ghate 氏及び A.Chitrao 氏と共同で,クリスタリン表現の還元のふるまいを半単純表現への退化という視点から説明する論文を完成させた.(B) については、近藤智氏と共同で関数体のモジュラーシンボルに関する論文の改訂を行った.ただし (B) の本来の目的である多重ゼータ値については進捗が遅れている. また (B) に関連して得られたいくつかの結果については, 雑用等に追われ, 論文としてまとめる時間を確保することができずに終わった. (C) については, 数多くの計算機実験を行い多くの知見を得たが, まとまった成果が得られなかった. (D) については跡部発氏, 近藤智氏の協力を得て, p 進体上の一般線形群の generic とは限らない既約許容表現に対する局所新形式の理論を確立して論文にまとめた. 研究分担者の古庄は,正標数関数体の多重ポリログの解析接続についての研究を行い, また l-進超幾何関数の研究に着手した.研究分担者の山下は宇宙際 Teichmuller 理論の拡張を研究した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本年度は, モジュラーシンボルの多重ゼータ値への応用についての研究を行う時間が確保ができす,また CM モチーフの特殊値に関する Beilinson 予想についても十分な成果が得られなかった.その一方で,局所新形式の理論についての研究で予想以上の進展が見られ,さらに成果を論文にまとめることができた.
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Strategy for Future Research Activity |
局所新形式についての研究に大きな進展が見られたことから, この方面の研究への重点をおくように研究計画を見直す, また CM モチーフの研究よりも Hilbert modular 曲面の分岐被覆の研究のほうが結果のインパクトが強いと期待されるため, 後者に研究の重点をおいた研究を進める方向に軌道修正する.
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Research Products
(2 results)