2021 Fiscal Year Annual Research Report
New studies of foliations and dynamical systems, and their applications
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21H00980
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
足助 太郎 東京大学, 大学院数理科学研究科, 准教授 (30294515)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
浅岡 正幸 同志社大学, 理工学部, 教授 (10314832)
横山 知郎 岐阜大学, 工学部, 准教授 (30613179)
足立 真訓 静岡大学, 理学部, 講師 (30708392)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | 葉層構造 / 力学系 / 複素構造 / 幾何構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
足助は葉層構造の変形に関する特性類について研究した.特に,FLK類と呼ばれる,葉層構造の二次特性類の微分としては得られないものが非自明となる一つの機序を明らかにした.関連して論文を執筆したほか,国際研究集会で招待講演を行った. 浅岡は葉層に対して力学系に対するPesin理論の類似がどこまで可能かについて検討した.また,ホロノミーの離散化を用いた類似の議論について考えるとともに,Hurderらによる葉層に沿った測地流の方法でどれくらいのことができているのかを調査した.関連して論文を執筆した. 足立は正則葉層の不変集合について,多変数複素関数論の手法を用いて研究を行った.特に,高次元の余次元1正則葉層について,特性類の局所化可能性を調べることで、非自明な不変集合の存在に制約を得た.また,不変集合の典型例である双曲曲面の単位接束について,その補集合上の正則関数の増大度の解析を行った.関連して論文を執筆したほか,国際研究集会で招待講演を行った. 横山は曲面上の流れに関して研究を行い,再帰性やその類似の概念であるPoisson安定性という概念は位相的な概念であることを示した.特に,これらの概念は,軌道空間のKolmogorov商の分離公理として特徴付けられることを明らかにした.更に,distalという概念がPoisson安定性と同値になることを示したほか,等長的な流れもHausdorff分離公理によって特徴づけられることを示した.一方,和田の湖のような特異点集合を持つ再帰的な非Poisson安定な曲面上の流れやPoisson安定な非同等連続な曲面上の流れを構成した.関連して論文を執筆したほか,講演を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
代表者,分担者のいずれも各々の分担する役割で研究成果を順調に挙げている.また,感染症のため制約の多い状況下にかかわらず,全体としては国際研究集会における招待講演や,国内の大きな研究集会における講演を行った.研究情報の交換については感染症対策のために原則としてオンラインとせざるを得ず,不満が残るところではあるが,最低限のものはできたと考えている.なお,開催予定の研究集会一つは次年度に繰り延べとせざるを得なかった.これについては繰り延べの可能性をあらかじめ想定していたため,研究の進捗を大きく損なうことはなかった.
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Strategy for Future Research Activity |
研究は概ね順調に進展しているので,次年度以降も予定通り計画を進める.研究の遂行にあたっては,本年度の成果を効率的に交換し,更に新たな情報を収集する必要がある.そのために研究集会を開催したり,あるいは個別に研究連絡を行う.これらの実行に当たっては,感染症の蔓延状況に配慮して,対面・オンラインを選択あるいは併用する.
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