2021 Fiscal Year Annual Research Report
フェロイック物質の分域壁内ダイポール構造とそのダイナミクス
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21H01010
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
横田 紘子 千葉大学, 大学院理学研究院, 准教授 (50608742)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 分域壁 / 光第2高調波 / 強弾性体 / 反位相境界 |
Outline of Annual Research Achievements |
フェロイック物質においては分域構造が必然的に存在する。これらの分域構造を隔てているのが分域壁であり、これまで分域壁において発現する物性の内、中心対称性の破れに起因する極性に着目をし、極性の可視化および制御を目的に研究を行ってきた。これまではフェロイック物質の内、強弾性体に存在する強弾性分域壁を主な研究対象として実験を行ってきたが、本年度はその研究対象を広げ、反強誘電体なども対象として実験を行った。反強誘電体には強弾性分域壁に加えて反位相境界が存在する。この反位相境界は光学顕微鏡などで観察することができないため、これまで殆ど研究が行われていない。一方で、反位相境界はより多くの物質系において存在することから、強弾性分域壁のようにドメインとはことなる独自の機能性を有することが実験的に明らかになれば応用の幅が格段に広がる。代表的な反強誘電体として知られているPbZrTiO3単結晶について光第2高調波顕微システムを用いた実験を行うことでこの反位相境界も強弾性分域壁と同様に極性をもつことを明らかにした。また、応力を印加することでその極性を増強できることを明らかにした。極性が増強できる起因については反位相境界の数を応力によって増加させたとする考え方と、反位相境界内の原子変位を増加させたというものと2つの考え方ができる。現在は他の方向から応力を印加したりすることにより、これら2つの原因を分居るすることができないか解析中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
半導体不足による納品の遅れなどがあったため、装置開発に多少の遅れが生じているが、それ以外のテーマを着実にこなしており概ね順調に進展しているといえる。
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Strategy for Future Research Activity |
研究の興味の対象が増えてきたため、測定したい試料や実験が当初より大分増えている。このため、測定を自動化できるシステムなど効率よく実験ができるシステムの構築を行っていく必要があると考えている。
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Research Products
(6 results)