2022 Fiscal Year Annual Research Report
Chirality-induced phonon-spin-photon cross-correlations
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21H01032
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | The Open University of Japan |
Principal Investigator |
岸根 順一郎 放送大学, 教養学部, 教授 (80290906)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸川 欣彦 大阪公立大学, 大学院工学研究科, 教授 (00415241)
多々良 源 国立研究開発法人理化学研究所, 創発物性科学研究センター, チームリーダー (10271529)
加藤 雄介 東京大学, 大学院総合文化研究科, 教授 (20261547)
山本 浩史 分子科学研究所, 協奏分子システム研究センター, 教授 (30306534)
佐藤 琢哉 東京工業大学, 理学院, 教授 (40451885)
松浦 弘泰 東京大学, 大学院理学系研究科(理学部), 助教 (40596607)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | カイラリティ / 対称性 / 時間反転 / スピン / フォノン |
Outline of Annual Research Achievements |
左右対称性の破れ(カイラリティ)が引き起こす物質機能の探索が、分野を横断して活発な展開を見せている。本研究では、カイラル物質における《対称性と弾性・光・磁気の関係》に高い普遍性があることに着目し、フォノン・フォトン・スピンという量子流間の結合ダイナミクスについて統一描像を打ち立てる。これらのカレントはいずれも広義の左右円偏極(偏波)自由度を持ち、物質のカイラル構造と結びついて偏極依存分散を示す。その全貌を弾性論・場の理論・群論・第一原理計算を組み合わせて解明する。カレント間の結合効果、特に角運動量転送が引き起こす《交差偏極》の概念を提唱し、実験家と協力して実証研究に結び付ける。これらの成果を統合することでカイラリティ概念を深化させ、物質の機能探索に新たな地平を拓く。2022年度は、カイラル結晶中のフォノン分散およびフォノンによる光吸収の問題を扱った。カイラル結晶中では、右回り・左回りの横波フォノンの分散がカイラリティに応じて分裂し、それぞれのバンドは擬角運動量によってラベルされる。そして、光吸収過程では、この擬角運動量が保存する。この点を理論的に明らかにするとともに、本研究分担者である佐藤、戸川らと実験的検証を行い、その成果をTruly chiral phonons in α-HgS,Kyosuke Ishito, Huiling Mao, Yusuke Kousaka, Yoshihiko Togawa, Satoshi Iwasaki, Tiantian Zhang, Shuichi Murakami, Jun-ichiro Kishine, Takuya Satoh, Nature Physics 19 (1), 35-39(2023)として発表した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
カイラル結晶中のフォノンについて、実験研究と強調する形で当初予想を超える成果が得られたと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
研究計画は順調に進行しているので、ペースを維持して研究を進める。
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