2021 Fiscal Year Annual Research Report
標準模型を超える物理・暗黒物質の最有力候補としてのアクシオンの存在量
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21H01080
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
山口 昌英 東京工業大学, 理学院, 特定教授 (80383511)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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Keywords | アクシオン |
Outline of Annual Research Achievements |
暗黒物質の候補の内、軽いスカラー暗黒物質、特にアクシオンは、ボーズ-アインシュタイン凝縮として重力的に結合してボソンスターと呼ばれるクランプを構成し、今日、銀河系ハロー内に大量に存在する可能性がある。通常のQCDアクシオンとアクシオンライク粒子から構成されるクランプに対して重力マイクロレンズ現象の期待値を計算し、EROS-2サーベイやすばるハイパー・スプリームカム観測からのマイクロレンズ効果による制限を導いた。レンズや源となる天体のサイズが有限であるという効果を解析に含めて、詳細な重力レンズ効果の計算を行った。有限レンズサイズ効果は、点状のアインシュタインリング半径と典型的なクランプの大きさの比によって定義される一つのパラメータで特徴つけられることがわかった。特に、このパラメータがある大きさ以下の場合、クランプの大きさが有限であるため、源となる天体の拡大が著しく抑制されることが確認された。暗黒物質が実際にクランプになった割合、個々のボソンスターの密度、アクシオンの自己結合をパラメータとして、アクシオンの質量に対して制限を与えた。また 反発する自己相互作用を持つ一般的なスカラー暗黒物質候補からなるクランプも考察し制限を与えた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
アクシオンが暗黒物質になりえるかどうか判断するのに必要な情報が多角的に得られ、着実に成果が出ているから。
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Strategy for Future Research Activity |
ストリング等の位相的欠陥についての研究を行う。
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