2023 Fiscal Year Annual Research Report
ダイヤモンド薄膜を用いた次世代高輝度粒子線実験のためのガス放射線検出器開発
Project/Area Number |
21H01111
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kobe University |
Principal Investigator |
越智 敦彦 神戸大学, 理学研究科, 准教授
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Project Period (FY) |
2021 – 2023
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Keywords | マイクロパターンガス検出器 / ミューオン検出器 / ダイヤモンドライクカーボン / 高エネルギー実験 / μ-PIC |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は開発を進めていたダイヤモンドライクカーボン(DLC)を用いた低物質量Resistive Plate Chamber (RPC)の開発を主に行った。DLC-RPCはRPC検出器の早い時間応答とDLCの低物質量かつ高レート耐性の性質を併せ持つ新しい検出器であり、ビームライン上に飛来する低エネルギー陽電子を観測するために開発が進められている。 現在まで実験で要求される値を満たすために試作機を作成し改良を続けており、物質量や時間分解能は十分に要求値を満たすことがわかっているが、放射線耐性は調べられておらず、KEKでの高強度X線を用いて性能評価を行った。X線試験では照射前後で波高が20%程度低下することが観測されて、検出効率も約7%減少した。 また、照射後のDLCを詳細に調査し、DLC表面に変性が見られ抵抗値の上昇が観測されたが、表面を洗浄する事で性能が回復する事もわかった。更に詳細な表面の調査でガスに含まれるフッ素が蒸着していることも明らかにした。また、照射後にDLCが剥がれている箇所も観測され、放射線耐性をより綿密に調査する必要性があることがわかった。ガス層の距離を保つために導入しているスペーサー周りが放電の原因になる可能性も観測されて、今後の試作機でスペーサーのデザインの最適化や品質管理を向上させる必要があることも明らかに出来た。これらの結果を踏まえて新型モジュールの設計を進めている。また、DLC-RPCの開発と性能評価をまとめた論文(NIM A 1054 (2023), 168450)を出版した。 さらに、国際会議では次期実験であるFASER II実験で要求される低物質量かつO(100μm)で高レート耐性を持つ飛跡検出器として、MPGDを提案し様々な可能性を検討し議論をすることが出来た。
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Research Progress Status |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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Strategy for Future Research Activity |
令和5年度が最終年度であるため、記入しない。
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