2021 Fiscal Year Annual Research Report
Study of 3-dimensional structure of galaxies and cosmological magnetic fields with large low-frequency polarization survey
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21H01130
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Kumamoto University |
Principal Investigator |
高橋 慶太郎 熊本大学, 大学院先端科学研究部(理), 教授 (80547547)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 電波天文学 / 磁場 / 偏波 / 銀河 |
Outline of Annual Research Achievements |
ファラデートモグラフィを広帯域の偏波観測データに用いて銀河の偏波放射に関わる3つの物理量、磁場(視線に平行な成分と垂直な成分の双方)・宇宙線電子密度・熱的電子密度の視線方向分布を測る。さらに近傍の銀河で天球面上の2次元的なイメージングと組み合わせることで3次元的な構造を探る。特に銀河磁場のグローバルな形状とガス分布の相関、磁場や電離ガスの乱流スペクトルなどに注目し、銀河ダイナモやその種となった初期磁場に関する知見を得ることを目指す。またこれらの性質と銀河の形態分類や金属量、星形成率、赤方偏移などとの相関を調査し、銀河進化と銀河磁場の関係を明らかにする。さらに銀河磁場と銀河間空間の磁場を分離することにより、宇宙初期のプラズマのゆらぎの名残である原始磁場の検出を目指す。 オーストラリアの電波望遠鏡ASKAPの偏波観測プロジェクトPOSSUMのサーベイデータを入手し、いくつかの偏波天体についてファラデートモグラフィによる解析を開始した。特に活動銀河核ジェットと超新星残骸に注目してRMCLEANやQU-fitなどの手法を用いて偏波解析を行ない、ファラデー深度空間における放射要素の数や分布などを系統的に調査した。 また、解析結果を物理的解釈に解釈するために、ねじれた磁場をもつジェットや乱流磁場を持つ銀河などの理論モデルの構築を進めた。双方のモデルは解析的なモデルであり、多数の物理的意味が明瞭なパラメータを含んでいるため、観測データとの比較が容易である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
予定通りASKAP・POSSUMプロジェクトの偏波観測データを入手することができ、ファラデートモグラフィの複数の手法を用いて解析を開始することができている。また解析結果の物理的解釈のための理論モデルの構築も進んでいる。一方でスパースモデリングなど先進的な解析法の開発はやや遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後もASKAP・POSSUMプロジェクトの偏波観測データを随時取得し、多数の活動銀河核や超新星残骸のデータ解析を進めていく。そして理論モデルと組み合わせることでこれらの天体のグローバルな磁場や乱流磁場の性質を探っていく。同時にスパースモデリングなど先進的な手法の開発も進めていく。
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