2021 Fiscal Year Annual Research Report
Quantification of biological and chemical compositions of Asian dust and its impacts on atmospheric radiation transfer
Project/Area Number |
21H01158
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Prefectural University of Kumamoto |
Principal Investigator |
張 代洲 熊本県立大学, 環境共生学部, 教授 (90322726)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河本 和明 長崎大学, 水産・環境科学総合研究科(環境), 教授 (10353450)
早坂 忠裕 東北大学, 理学研究科, 教授 (40202262)
外村 彩夏 東海大学, 農学部, 特任講師 (50762704)
牧 輝弥 近畿大学, 理工学部, 教授 (70345601)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 黄砂 / 長距離輸送 / 組成変化 / 光吸収散乱 / 気候影響 |
Outline of Annual Research Achievements |
黄砂粒子が大気・地表面系の放射収支に及ぼす影響は,粒子の化学成分及び生体物質との内部混合状態によって大きく左右されている.本研究では,その関連情報を取得するために中国砂漠域から九州西岸までの黄砂を観測し,広域に拡散する黄砂粒子の内部混合の変化を解析する。観測された黄砂粒子の放射特性を合わせて解析することにより,東アジア広域における黄砂の化学的・生物的組成の変化が大気中の放射収支に及ぼす影響を解明する. 令和3年度には,新型コロナウイルス感染症の拡大により,海外渡航及び砂漠現地の研究調査活動を全て取りやめ,研究実施の打合せ等をオンラインで実施した.また,九州西岸での通常観測と集中観測についてはほぼ予定通りに実施したが,中国北西部砂漠域の観測活動と中国沿岸域の観測活動は延期した. また,天草西岸で取得したデータを解析しながら,過去の砂漠域及び中国沿岸域の関連データを収集し,それらのデータを用いて,黄砂の物理化学像と光学的な特性の解析も始めた.特に,中国科学院地球環境研究所と中国海洋大学の研究協力者らの協力により,定期的にオンライン討論会を開き,それまでに取得したデータについて解析を続けた. 令和5年4月現在,当時の解析と討論により次の2つの研究成果が挙げられる:①大陸性気団中の自然起源の黄砂粒子と人為起源の微小粒子は海洋大気中に入った後に海起源の海塩粒子の変質に深くかかわっていること;②中国沿岸及び北大西洋の海洋大気中の浮遊バクテリアの濃度と粒径分布を初めて報告したこと.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
新型コロナウイルス感染症が拡大したため,海外渡航ができなかった.そのため,中国北西部砂漠と中国東部沿岸域の観測の準備及び観測活動を全て延期し,予定より大幅に遅れている。特に砂漠域において黄砂粒子の光学特性に関する計測は出来なかった。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年5月の時点で令和3年度に実施出来なかった内容を令和4年夏季と秋季に実施するように計画を組んだが,令和4年までに新型コロナウイルス感染症が終息せず,中国の規制により中国への渡航ができなかったため,中国北西部域の観測は中国科学院地球環境研究所の研究協力者に,中国沿岸域青島市の観測は中国海洋大学の研究協力者に依頼し最低限度の実施を行った.一部分のサンプルの分析とデータの解析は出来たため,その内容を令和4年度の研究実施状況に示す. また,令和3年度から令和4年度に繰り越した助成金は令和4年度の天草西岸の観測活動に充当し,予定より観測期間が長い常時観測と規模が大きい集中観測を実施した.
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