2023 Fiscal Year Annual Research Report
第3世代衛星システムを用いた雲の発生-成長-消滅過程の統合的解析
Project/Area Number |
21H01159
|
Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokai University |
Principal Investigator |
中島 孝 東海大学, 情報理工学部, 教授 (70408029)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐藤 陽祐 北海道大学, 理学研究院, 准教授 (10633505)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
Keywords | 雲成長過程 / 雲特性 / 人工衛星 / 雲成長モデル |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は,予定していた3G-GEO衛星すなわち「ひまわり」データの解析システムの整備を行った.さらに科研費の総額と年次推移を再確認し,効率の良い研究費執行計画を再立案した.実際に2023年度に実施した研究内容は次のとおりである. (1) 2021年度に整備したサーバーシステム,および2022年度に導入したやや小ぶりのサーバーシステム等を使用してデータ解析を実施した. (2) 2023年度は2021年度に収集したAqua衛星搭載MODISセンサー観測データ,CloudSat衛星搭載CPRセンサーデータの解析結果,すなわち2007年から2014年のあいだの7年間について1月,4月,7月,11月のデータ解析結果を利用して,タイにおける雲成長プロセスの解析を実施した.並行して,従前から予定していた3G-GEO衛星「ひまわり」データから雲特性を推定する解析システムを整備し,初期的な結果を得ることができた. (3) 雲モデル計算データについては,北海道大学にて計算された全球数カ所の雲成長過程シミュレーション結果(LESモデルシミュレーションデータ)が東海大にアーカイブされており,次年度以降,衛星解析結果と比較する形で活用する予定である. (4)これまでに得られた研究成果について,ジャーナル論文を発行した(Matsumoto et al.2023).さらにもう1本のジャーナル論文が審査中である(Wongnim et al, 2024).国際学会では複合衛星データ解析による海域および陸域での雲成長過程の違いについての発表等を行った.当初予定した内容については大きな障害なく進められることができた.
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
科研費申請時の研究計画調書には2022・2023年度の研究計画について次のように記述した.「2022年(令和4年)に新しいLEO衛星であるEarthCARE衛星が打ち上がる予定であるため,そのデータ解析のための予備的解析を行い,さらに本格解析に着手する.また、3G-GEO衛星を用いた雲成長過程の時系列解析にチャレンジする.」.計画と実際の相違点としてはEarthCARE衛星の打ち上げが衛星計画の見直しで2024年5月に延期されたことが挙げられる.従って,EarthCARE衛星の解析は2024年度ないし2025年度に実施することになる.3G-GEO衛星の解析着手は当初の予定通りである.
|
Strategy for Future Research Activity |
2023年度の研究実施では,7年分の衛星データ解析結果を使用して,タイにおける雲成長プロセスの検討を実施した.2024年度は,ひまわり衛星を用いた雲特性解析をさらに進める予定である.ひまわり衛星は10分毎の観測であるため,雲特性の時系列変化が把握できるものと期待される.MODIS/CPR両センサーによる長期統計的なデータ解析による雲成長プロセスの観測と,ひまわり衛星による短時間時系列の雲成長プロセスを精査し,物理的に整合的な雲成長プロセスの解釈が可能であるか調査を進める予定である. 2024年5月にJAXA-ESAの合同ミッションであるEarthCARE衛星が打ち上げられる予定である.打ち上げ後数ヶ月程度は初期チェック運用のためデータがないため,2024年中にEarthCARE衛星のデータ処理の準備を完了させ,2025年頃からリリースされるデータを処理していく予定である.そして,2026年度には,雲ライフサイクルに関する仮説を立て,雲粒併合効率等の雲成長を決定づける主要パラメタを明らかにしたい.
|
-
-
-
[Journal Article] Surface Solar Radiation Compositions Observed from Himawari-8/9 and Fengyun-4 Series2023
Author(s)
Letu Husi、Ma Run、Nakajima Takashi Y.、Shi Chong、Hashimoto Makiko、Nagao Takashi M.、Baran Anthony J.、Nakajima Teruyuki、Xu Jian、Wang Tianxing、Tana Gegen、Bilige Sude、Shang Huazhe、Chen Liangfu、Ji Dabin、Lei Yonghui、Wei Lesi、Zhang Peng、Li Jun、Li Lei、Zheng Yu、Khatri Pradeep、Shi Jiancheng
-
Journal Title
Bulletin of the American Meteorological Society
Volume: 104
Pages: E1772~E1789
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-
-