2022 Fiscal Year Annual Research Report
Subduction initiation of oceanic plate
Project/Area Number |
21H01183
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
石塚 治 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 首席研究員 (90356444)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
海野 進 金沢大学, 地球社会基盤学系, 教授 (30192511)
Conway Christopher 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 主任研究員 (50844619)
谷 健一郎 独立行政法人国立科学博物館, 地学研究部, 研究主幹 (70359206)
針金 由美子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 地質調査総合センター, 上級主任研究員 (90569360)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | プレートテクトニクス / 沈み込み開始 / 南西太平洋 / マグマ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の中心として,南西太平洋地域でのプレート沈み込み開始と島弧創成過程を記録しているビチアス弧について,地質調査と試料採取を行うことを計画,2022年度調査対象として,ビチアス弧相当の地層の露出が報告されながら地殻層序と形成年代がほとんど報告されていないニューヘブリディーズ諸島(バヌアツ共和国)を主たる調査対象とした.事前に地質図,論文等で調査に好適な地域の選定を行った.これまで報告されている地殻層序を整理し,沈み込み開始期の火山活動を記録していると考えられる地質層準を特定した上で調査に臨んだ.調査は,バヌアツ共和国 Pentecost島で実施した.対象となる岩石が露出する3本の谷沿いを登りながら観察,試料採取を実施した.その結果プレート沈み込み開始期に活動したと考えられる玄武岩溶岩を複数のルートで確認することに成功し,採取した.またその時期の下部地殻および上部マントルに相当する可能性のあるかんらん岩,ガブロについても試料採取に成功した.さらに海岸沿いで調査地域から流出したと考えられるガブロや,より珪長質の深成岩類を採取し,プレート沈み込み開始期に形成された下部地殻試料を十分に確保した.採取した試料の分析に着手しており,予察的な結果は,1)採取した玄武岩が海底拡大に伴って形成された可能性が高いこと,2)深成岩類の年代は,これまでPentecost島から報告されていた岩石の年代よりはるかに古いこと,を示している.これらの結果は,Pentecost島の調査対象とした地質層準の形成時期と関与した火山マグマ活動の特徴を解明することで,南西太平洋地域でのプレート沈み込み開始過程を明らかにできる可能性を強く示している.バヌアツに加えニューカレドニアの深成岩類についても試料採取を開始した. また比較研究としてオマーンおよびキプロスのオフィオライトでの海底拡大系のマグマ活動史の研究を継続した.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
バヌアツ共和国での調査は初めてであり,事前の情報も多くはなかったが試料採取,日本への輸送に成功したことは研究の進展に大きく寄与した.
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Strategy for Future Research Activity |
バヌアツ共和国Pentecost島で本研究の進展へ向けて予察的ながら非常に重要なデータが得られた.バヌアツ共和国の担当部署と再度の試料採取へ向けて調整を進めている.調査可能となれば2024年度に調査を実施し,初期島弧地殻層序を確立したいと考えている.
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[Presentation] 西フィリピン海盆上での伊豆小笠原島弧創成の可能性 ―島弧-拡大軸会合部潜航調査―2023
Author(s)
石塚 治,下田 玄,針金 由美子,佐藤 太一,海野 進,Nguyen Thi My Trinh,坂本 泉,中村 希,森 光貴,渡邊 聡士,谷 健一郎,小原 泰彦,小川 智美
Organizer
海と地球のシンポジウム2022
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[Presentation] The magmatic conditions and hypersolidus deformation of lower crustal magma chamber below a fast-spreading ridge ― Insight from the core analyses of the Oman ICDP drill holes GT1A & GT2A2022
Author(s)
Nguyen, T., Umino, S., Fudai, T., Kusano, Y., Ishizuka, O., Tamura, A., and Morishita, T.
Organizer
日本鉱物科学会2022年ハイブリッド年会