2021 Fiscal Year Annual Research Report
Evaluation of Manufacturability of Machine Parts Based on Quantitative Analysis of Machining Difficulty
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21H01233
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Ibaraki University |
Principal Investigator |
乾 正知 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 教授 (90203215)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅津 信幸 茨城大学, 理工学研究科(工学野), 准教授 (30312771)
加瀬 究 国立研究開発法人理化学研究所, 光量子工学研究センター, 先任研究員 (70270600)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 自動工程設計 / 加工コスト評価 |
Outline of Annual Research Achievements |
機械部品の加工コスト評価には,加工プロセスの解析が重要となる.令和3年度は,与えられた部品の加工に要する,加工手順,工具,加工方向など,加工プロセスの基本となる情報決定を行うソフトウェアの開発を行った.最新のCAMソフトウェアは,切削工具と部品形状の幾何的性質(例えば面の傾き)に注目して工具経路を生成し最初の加工を行う.以後は削り残り形状の除去を目的に,工具選択と経路生成を繰り返して加工を進めていく.このようなソフトウェアが普及した結果,工作物の取り付けを変更しつつ以下の手順で部品加工を行うことが増えている.1)幾何的性質と削り残り形状に基づいて切削加工を行う.2)典型的な形状特徴については,その属性情報に基づいて穴加工や溝加工などを行う.3)残った切削加工が困難な形状は,放電加工などの非切削加工で処理する.本研究でもこの手法に基づいて加工工程を解析することとし,以下の機能を有するソフトウェア開発を行った. (1)部品を構成する形状特徴を認識する.今回は穴形状と面取り形状,壁形状,床形状を認識した.認識された形状のうち,穴と面取り形状については,専用加工の扱いとした.(2)指示された工具を用いて,指定された方向(今回は+X方向,-X方向,+Y方向,-Y方向,+Z方向,-Z方向の6方向)から加工する場合の工具経路を計算する.その際には,壁と床形状については,加工が適切に行われるように経路に修正を施した.(3)次に得られた経路を用いて切削加工シミュレーションを繰り返すことで,部品の加工結果にあたる工作物の形状モデルを計算する.(4)最後に,得られた工作物モデルと部品形状のCADモデルを比較し,削り残り形状を抽出した.それらを放電加工扱いとして登録する.実現したソフトウェアを用いて70以上の部品の解析を行い,解析結果について加工の専門家の評価を受けた.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実現したソフトウェアを用いて70以上の機械部品の加工工程の評価を行った.その結果,必要な加工方向,必要な工具,放電加工が必要な形状などが自動選択できることを確認した.またその結果を加工の専門家に見ていただいたところ,十分に正確な結果という評価を得た.その一方で幾つかの課題も見つかった.(1)処理時間:現時点で最速の工具経路生成と加工シミュレーション技術を用いているが,それでも解析には5~6分を要している.対話的な環境で使うことを考えると,処理時間を1分程度に抑えることが望まれており,さらなる高速化が必要である.(2)最適化:本ソフトウェアを用いることで加工に必要な加工方向や工具を決定できるが,その結果は必ずしも最適とは言えない.加工順序を工夫することで,加工方向を減らせるケースが見つかっており,アルゴリズムの改良が必要と考えている. 以上の理由から概ね順調と評価した.
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Strategy for Future Research Activity |
本研究では,工具経路の生成と切削シミュレーションについては,デクセルモデリングとGPUの並列処理機能を併用した技術を用いている.今後これらの処理をさらに高速化するために,GPUのRTコアを利用した処理技術の導入を考えている.また最適な加工方向や工具を決定するアルゴリズムの設計を行う.今後,これらの加工プロセス評価手法の改良を進めると同時に,この手法に基づいて以下のアプリケーションを実装し,企業に提供して手法の有効性の評価実験を行う. 加工時間の見積りソフトウェア:各工程で行われる切削シミュレーションに基づいて,部品加工に要する時間を計算する. 難加工形状の検出ソフトウェア:標準工具で切削できない形状は,放電加工などで製作することになり加工コストの増大を招く.このような形状を可視化するソフトウェアを実現する.
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Research Products
(6 results)