2021 Fiscal Year Annual Research Report
次世代型微細積層造形のための超短パルスレーザLIFTにおける超高速熱工学
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21H01260
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
伏信 一慶 東京工業大学, 工学院, 教授 (50280996)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | レーザ / LIFT / 可視化 / 理論解析 |
Outline of Annual Research Achievements |
交付申請書記載の計画を概ね完遂した。初年度はまずドナー飛散状況の可視化実験系を構築した。現有のパルスレーザを中核に、学内共有のハイスピードカメラを用いた。また今年度新たに導入したマイクロスコープによりタイムリーなex situ観察を可能とした。並行して、電子温度計測のためのサーモリフレクタンス法計測系を構築する。TDTR法での光学系構築を行い、実績のある金薄膜を中心として予備実験を行い、サーモリフレクタンスシグナルの取得に成功するとともに、手法有効性確認のため物性値の予測も行った。また、理論モデル構築も開始した。過去の科研費支援を得て構築した2温度モデルに、薄膜アブレーション除去の伝熱モデルのドッキングを試み、まずは基板となるfused silicaを対象に過去の研究成果との比較検証を行い有用性を確認した。また、ドナーの飛翔を定量化するため、その駆動力のモデル化についても調査を開始した。解析を容易にするため、ここでは粉体試料を用いることで作用が想定される主要な力の関係を検討している。また、以上の年度当初に計画に沿った結果だけでなく、新たに2つの手法を見出した。一つはLIFT条件下での特性を得るため、ドナー飛散に伴う衝撃波に起因すると考えられるプローブ光の回折であり、この定量化によりLIFT条件下での特性計測の可能性を論じた。さらには、Photo-NIDとも呼ぶべき、サーモリフレクタンス法を用いた電子・格子物性値分布の予測手法を見出すに至り、今年度は格子系を対象にその可能性を示している。前者に関しては既往文献もあるが、後者はこれまでのところ既往報告例が見当たらない。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
上記の通り、年度当初の交付申請書に記載の目標を概ね達成した上で、新たな手法発見と考えられる取り組みを行なっている。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度の順調さを踏まえ、2年目以降も計画調書に従って着実に研究を進める予定である。
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