2021 Fiscal Year Annual Research Report
生物の即応機能に学ぶレフレックス制御:時空間分解能を生かし切る設計戦略
Project/Area Number |
21H01276
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
石川 将人 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (20323826)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉本 靖博 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (70402972)
増田 容一 大阪大学, 大学院工学研究科, 助教 (70849760)
南 裕樹 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (00548076)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | レフレックス制御 / 制御系設計 / 機械学習 / ロボティクス |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では,小型の生物,とりわけ逃走に長けた節足動物などにみられる俊敏なレスポンスに注目する.サイズ・精度・計算能力などの面でごく限られた設計リソースを使い切るによって即時適応能力を実現するために,人工物設計が学ぶべき課題を抽出して,制御工学・ロボティクスの設計論において新たなアプローチを切り拓くことを目的としている. 初年度である今年は,研究を進めるうえでのコアとなる制御理論・機械学習・ロボティクス・生物ロコモーションの基礎技術の検討を進めた.まず,データのコストを意識した学習ならびに量子化制御系の研究としては,不確実なデータに基づく制御系の構築,データの質に基づく量子化ニューラルネットワークの構築,ならびに量子化制御系設計のためのCADの整備を行った.ロボティクスの設計技術としては,即応性に優れる空気圧アクチュエータに着目し,運動の計測ならびに動特性の解析を行った他,空気圧バルブによる反射メカニズムを実装したネコ後肢型ロボットにより,計算を用いずに歩行運動を創発する実験を行った.また,本研究が範とする小型生物のロコモーションの研究としては,限られた身体能力のなかで適応的に移動できる節足動物の代表として,跳躍に特化した後肢で床面・壁面・天井面を移動できるバッタに着目し,環境に応じた歩容の遷移過程についての解析をおこなった.また,飛行を主な移動様式とする鳥類のなかで,補助的な役割を持つ脚を用いたカラスの地上移動についても着目し,移動速度に応じた歩容遷移過程の解析を行った.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本課題のコアである制御理論・機械学習・ロボティクス・生物ロコモーションの基礎検討について,それぞれ想定していた進展がみられた.また,新型コロナウィルスの影響により当初は延期していたフィールドでの生物観察についても,状況の緩和により最終的には実施することができた.
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Strategy for Future Research Activity |
初年度に行った基礎検討の結果を踏まえ, 今後はコロナウィルスの影響も段階的に和らぎ,実地や学外打ち合わせなども含めた研究活動を積極的に行えると見込んでいる.
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Research Products
(8 results)