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2021 Fiscal Year Annual Research Report

空間軸と時間軸を究極に拡張した超高感度ヒトセンシング技術の確立

Research Project

Project/Area Number 21H01318
Allocation TypeSingle-year Grants
Research InstitutionIwate University

Principal Investigator

本間 尚樹  岩手大学, 理工学部, 教授 (70500718)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 村田 健太郎  岩手大学, 理工学部, 助教 (20848030)
小林 宏一郎  岩手大学, 理工学部, 教授 (60277233)
岩井 守生  岩手大学, 理工学部, 助教 (60825876)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2025-03-31
Keywordsマイクロ波 / バイタルセンシング
Outline of Annual Research Achievements

本研究では,マイクロ波を用いた非接触・非侵襲なヒトのバイタルセンシング技術において,MIMO (Multiple-Input Multiple-Output) による空間軸の拡張と,時間信号処理による時間軸の拡張を組み合わせによって,感度を究極的に拡張した新しいセンシング手法を確立することを目的としている.
本研究で取り扱う課題は,主にA) 血圧推定,B) 生体認証,C) 行動予知,の3項目に大別される.課題Aに関しては,時間領域波形を学習させ,kNN (k-nearest neighbors) と呼ばれる分類手法を用いることによって,時々刻々と変化する電波応答と血圧値を関連付け,電波応答だけに基づき血圧値をリアルタイムに推定する手法について取り組んでいる.特に,学習データとテストデータが同一人物である場合,高い相関値にて血圧をリアルタイム推定できることが実験的に明らかになった.課題Bの生体認証に関しては,屋内空間に人物が存在する場合のMIMOレーダチャネル応答を事前に学習し,そのデータに基づいて存在する人物の特定を行う方法を開発した.特に,MIMOレーダのアレーアンテナの方向を垂直アレーとすることによって,人物の特徴をとらえやすくするとともに,人物位置によるデータの変化を抑制し,識別精度を高める方法を考案した.課題Cの行動予知に関しては,MIMOレーダのチャネルの時間応答に対して線形予測を適用し,人物の位置と速度の両方を推定することで,レーダによる測位精度を向上する方法について取り組んだ.
以上に述べたとおり,当該年度の研究によって時空間信号処理によるヒトセンシング技術の有効性を示す基礎データを得ることができた.次年度は得られた技術・知見を活かし,引き続き時空間信号処理によるヒトセンシング技術の深化を図る.

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

1: Research has progressed more than it was originally planned.

Reason

マイクロ波による空間軸と時間軸を拡張した高感度ヒトセンシング手法について取り組んでいる3項目について,次のように進捗状況をまとめる.
課題A 血圧推定:送受信アレー前に被験者が静止しかつ正対する場合に,マイクロ波によるMIMOチャネル時間応答を観測すると同時に,カフ式リアルタイム血圧計により血圧の時間応答を観測する実験を行った.様々な被験者に対し同様の実験を行い,学習データ群を構築した.さらに,テストデータとして同様の実験を行い,事前に取得した学習データを用いてkNNにより血圧値の分類を行った.実験の結果,学習データと同一人物であれば,マイクロ波のみにより良好な精度で血圧推定が可能であることが確認された.
課題B 生体認証:事前の予備検討により,マイクロ波を用いたヒトの非拘束認証方式では,学習データとテストデータを取得したときのヒトの立ち位置の違いが認証精度に大きく影響することが分かっている.垂直方向にアンテナをアレーすると,立ち位置の違いに対して識別性能がロバストになることが分かったため,アレーアンテナの再設計を行い,垂直アレーアンテナを用いた実験系を完成させた.これを用いた基礎実験により,従来の水平アレーと比べて識別性能が大幅に向上することが明らかになった.
課題C 行動予知:アレーアンテナ素子数の拡張作業について主に取り組んだ.特に受信系統を増やすべく受信系ハードウェアを拡充した.多ポートデータロガは翌年度(令和4年度)に調達するため,現在はアンテナおよびダウンコンバータのみが拡充された状態であり,次年度に向けた準備を順調に進めることができた.また,先行して測位法のアルゴリズム開発に着手しており,MIMOチャネル応答の時間方向線形予測によって,歩行中人物のトラッキング精度が向上することが明らかにすることができた.

Strategy for Future Research Activity

上述の通り,当年度は予定以上に研究を進捗させることができ,順調に計画が進行している.よって,概ね当初の計画通り検討を進めるものとしたい.以下課題項目ごとに推進方策をまとめる.
課題A 血圧推定:血圧推定の検討を進めるうえで,バースト的に推定精度が劣化するケースが存在することが明らかになった.解析の結果,マイクロ波による心拍推定に失敗すると血圧推定が正しく動作しないことが分かった.したがって,血圧推定の検討と並行して,心拍推定精度を高めるアルゴリズムを追加実装することを計画している.具体的には,生体活動により生じるマイクロ波応答の特徴を活かし,不要な外乱(人体周囲のクラッタ,体動)を抑圧するアルゴリズムの開発を行う.これにより,血圧推定アルゴリズムの動作安定化を図る.
課題B 生体認証:課題Cと合わせて装置の拡充を行うことを計画している.令和4年度は多ポートデータロガの調達を行う予定であり,これまで試作してきたハードウェアとの結合部の試作(コネクタアレー)も実施する予定である.これによって大規模アレーによるヒトセンシングが可能となり,生体認証に必要なより多くの特徴を観測できるようになる見込みである.
課題C 行動予知:アンテナアレーの拡充によって,より高いヒトトラッキング精度が得られるようになる見込みである.令和4年度は,これによる測位性能向上効果を評価するとともに,この知見を翌年以降の行動・イベント予知に活かすべく検討を進める.

  • Research Products

    (6 results)

All 2022 2021

All Presentation (6 results) (of which Int'l Joint Research: 1 results,  Invited: 1 results)

  • [Presentation] 疑似逆正接復調法によるマイクロ波バイタルサイン検出の利点と限界2022

    • Author(s)
      本間尚樹
    • Organizer
      電子情報通信学会総合大会
  • [Presentation] Number of Antenna Elements Characteristics of Heart Rate Estimation Accuracy Using Arctangent Demodulation2021

    • Author(s)
      Naoki Honma
    • Organizer
      2021 International Symposium on Antennas and Propagation
    • Int'l Joint Research
  • [Presentation] レイリー商規範ビームフォーミング法による心拍数推定評価2021

    • Author(s)
      本間尚樹
    • Organizer
      電子情報通信学会ソサイエティ大会
  • [Presentation] CMA-like アダプティブアレーによる歩行人物のバイタルサイン検出2021

    • Author(s)
      本間尚樹
    • Organizer
      電子情報通信学会ソサイエティ大会
  • [Presentation] 低マイクロ波帯に適したバイタルサイン検出用アダプティブアレーアルゴリズム2021

    • Author(s)
      本間尚樹
    • Organizer
      電子情報通信学会ソフトウェア無線研究会
    • Invited
  • [Presentation] マイクロ波レーダにおける機械学習を用いた血圧値推定の検討2021

    • Author(s)
      本間尚樹
    • Organizer
      電子情報通信学会アンテナ・伝播研究会

URL: 

Published: 2022-12-28  

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