2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of a portable digital EPR imaging system for biological applications
Project/Area Number |
21H01341
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
赤羽 英夫 大阪大学, 大学院基礎工学研究科, 准教授 (00552077)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | EPRイメージング装置 / デジタルEPR / 分子イメージング / In vivo 生体イメージング / アレイ型マグネット |
Outline of Annual Research Achievements |
小動物を対象としたフリーラジカルイメージングを可能にする可搬型電子常磁性共鳴(EPR)イメージングシステムを開発することを目的として、今年度は生体イメージングの応用範囲を広げるためマウス腹部のイメージングを可能にするEPR用マグネットや共振器の製作を行った。EPR用マグネットの製作では、目的の磁場や均質性を達成するための新しい手法の開発に挑戦した。正六角形を多数の正三角形で分割し、その頂点(127箇所)にサマコバ磁石(直径10mm高さ20mm)を配置した磁極板を二つ準備し、それぞれを平行に配置する構造のマグネットを提案した。その構造とサマコバ磁石の典型的な残留磁化を用いて、電磁界シュミレータにより中心磁場を計算し、実際に試作したマグネットの中心磁場と比較することで、それ以降のシミレーションに用いる残留磁化を決定した。その後、磁極板上に配置した磁石の高さや磁極板間の距離を最適化することで、目的の磁場や均質性を満たす条件を探索した。その際、全てのマグネットの位置を任意に移動させるのではなく、中心からの距離が近い5つのグループに分け、グループ毎に移動させた。さらに、グループ毎に解析した磁場分布を再利用し、それらの座標を移動させながら重ね合わせることで、254個の磁石の配置を決定する手法を提案した。共振器の開発では、これまでシングルギャップのLGR共振器を用いていたが、EPRに必要な交流磁場の均質性を向上させるため、4ギャップのLGR共振器の試作を試みた。さらに、電磁界シュミレータの解析やファントムを用いたイメージング実験から、交流磁場の均質性の向上を確認することが出来た。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初予定通りに進展しているため
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Strategy for Future Research Activity |
来年度はプロジェクトの最終年度になるため、今年度までに開発してきた可搬型生体用EPRイメージング装置の構成要素を見直し、測定の高感度化、分解能の向上、安定性の改善、測定対象の拡大、操作性に優れたシステムの完成を目指す。高感度化においては、共振器に入る環境ノイズや装置が生成するノイズと共振器構造の関係性を調べ、ノイズに耐性がある共振器の構造を検討する。マウスより大きな小動物を測定可能にするには、サンプルスペースの更なる拡大が必要である。今年度までに開発したEPRイメージングマグネットの磁極間距離が10 cm程度であり、イメージングコイルを実装すると、共振器を挿入できる幅が6 cm程度に減少する。そこで、イメージングコイルのコンパクト化や、マグネット構造の最適化を行うことで、スペースの拡大を目指す。イメージングの分解能を決定する一つの要素に磁場勾配強度がある。そこで、最大生成可能な磁場勾配強度を現状の0.6 mT/cm程度から1.0 mT/cm程度に改善できるように、コイル駆動用電流源の出力を増やすことを目指す。現在、一つのAC-DCコンバータ(300 W)からXYZ方向の3つの勾配コイルに電流を流している。そのため、それぞれの勾配コイルに別々にAC-DCコンバータ(200 W)から電流を流せるように変更することで、2倍程度の磁場勾配強度の向上が見込める。 また、引き続き、可搬型生体用EPRイメージング装置を制御するプログラムの改良を行う。
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