2024 Fiscal Year Annual Research Report
気象と物質循環構造が近年変化する湖沼・沿岸域の貧酸素化機構の解像
| Project/Area Number |
23K20969
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| Allocation Type | Multi-year Fund |
| Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
入江 政安 大阪大学, 大学院工学研究科, 教授 (00379116)
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| Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中谷 祐介 大阪大学, 大学院工学研究科, 准教授 (20635164)
岡田 輝久 一般財団法人電力中央研究所, サステナブルシステム研究本部, 主任研究員 (40817962)
霜鳥 孝一 国立研究開発法人国立環境研究所, 地域環境保全領域, 主任研究員 (50593688)
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| Project Period (FY) |
2024-04-01 – 2025-03-31
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| Keywords | 気候変動 / 水質 / 貧酸素水塊 / 3次元流動水質モデル / 大気モデル / 数値シミュレーション / 水温上昇 |
| Outline of Annual Research Achievements |
本年度においては,湖沼においては,諏訪湖で形成される貧酸素水塊に及ぼす気象の影響を評価するため,大気モデルを用いて湖周辺の風況を再現した上で,湖上の非一様風場を作成し,アメダス観測値を用いた一様風の場合と比較して水質がどのように変化するかを検討した.非一様風の場合,風によって生起される流れは水平循環を生み,貧酸素水塊の維持を助けることとなった.琵琶湖での水草および水質の調査により,沈水植物は,光合成によってDOを供給し,継続的なDO低下リスクを緩和していた.また,微生物が利用しやすい高分子DOMを生産している可能性も示唆された.また,霞ヶ浦の解析においては,前年調査で得た栄養塩溶出速度および酸素消費速度を用いて高精度な水質計算を実施した結果,流入河川以外の栄養塩供給源の追求が必要であることを示した.また,大気モデルにより湖上風の将来変化を推定した結果,将来においては季節風の弱化に伴い海風の頻度が増加し,風速は年平均で-0.08 m/sの変化が見込まれた.将来気象条件下では水温の上昇や,それに伴う植物プランクトンの増加とDOの低下の傾向を示した.将来の霞ヶ浦においては貧酸素水塊がより深刻な問題となることが示唆された. 沿岸域においても,東京湾において水中カメラによる中層白濁層の実態調査を行い,また,不確実性が含まれる非定常な境界条件を水質観測データの同化により推定する手法を新たに開発し,春季から夏季にかけて溶存酸素分布の再現性を向上させることに成功した.大阪湾においてもデータ同化により,水質モデル内のモデルパラメータ(係数)を観測データに基づいて修正する技術を高度化し,貧酸素水塊におよぼす気象外力の影響と将来の気候変動に伴う河川流量変化の影響を定量化する解析に用いた.将来予測においては大規模データのd4PDFを用いて,不確実性を織り込んだ解析とし,本研究の最終成果とした.
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