2023 Fiscal Year Annual Research Report
気象システムに着目した東アジアにおける洪水の将来変化メカニズムの解明
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21H01442
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Allocation Type | Single-year Grants |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
内海 信幸 東京工業大学, 環境・社会理工学院, 准教授 (60594752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
渡部 哲史 九州大学, 比較社会文化研究院, 准教授 (20633845)
金 炯俊 東京大学, 生産技術研究所, 特任准教授 (70635218)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 東アジア / モンスーン / 降水 / 気候変動 |
Outline of Annual Research Achievements |
2023年度は、前年度に開発・実装した東アジアの夏季モンスーンの降水(梅雨等)の検出手法を用いた解析を行った。気候データとしては前年度に整理・検討を行った複数の気候シミュレーションデータのうち、 Community Earth System Model 1 Large Ensemble Simulations (CESM-LE)を用いた。 1958年~2015年を対象に、東アジアの夏季モンスーンの降水(梅雨等)の変化を分析した。まず再解析データ(JRA55)と観測された降水データを分析したところ、東アジアの夏季モンスーンの降水が対象期間で増加していたことが明らかになった。 さらにCESM-LEの2種類のアンサンブルシミュレーション実験(温室効果ガス排出による気候変動の影響を考慮したアンサンブルシミュレーションと、人間による温室効果ガス排出を入れない自然状態のアンサンブルシミュレーション)を比較した。その結果、温室効果ガス排出による地球温暖化が東アジアの夏季モンスーンの降水量の増加に寄与していることが明らかになった。また、そのメカニズムを分析すると、水蒸気量の増加と北西太平洋の亜熱帯高気圧の強化が、観測された降水量の増加につながっていることが示された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
前年度に開発・実装した検出手法を用いて、東アジアの夏季モンスーンの降水(梅雨等)の変化と地球温暖化の関係について分析を行った。その結果は国際誌に出版しており、研究はおおむね順調に進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
ここまで、熱帯低気圧や夏季モンスーンに伴う降水について、その変化や人間活動による地球温暖化の影響の分析を行ってきた。今後も引き続き気象システムと極端な降水および水文現象の変化について、主に東アジアを対象に地球温暖化との関係を考慮して分析を進める。
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Research Products
(4 results)